Page 2:ゆりゆり星

 Space Trans Story Page 2:ゆりゆり星

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「よし、着陸するぞ」

 わたしは地球人の男の子、かずき。
 でも今は女の子の輝月なんだけれどね……。

 時空のみだれによって、エムピ星へ飛ばされてしまったわたし。
 そのさいにわたしの男の子としてのじょうほうを持ったかけらが、うちゅうへと散らばってしまった。

 エムピ星人のソラさんと妹のルナちゃん、さらにルナちゃんのお友達のツキちゃん。
 そしてわたしの4人でわたしの散らばったかけらをさがしつつ、地球を目指しています。

 わたしの男の子のかけらの一部があるらしい「ゆりゆり星」。
 この星には女の子しかいなくて百合が当たり前のようで、男の事は生き物とさえ思っているか分からないほどだそうです。

 ただいま、そんな星であるゆりゆり星にとうちゃくしました。

「よし、じゃあ3人で行っておいで」
「え、お兄ちゃんは一緒に来てくれないの!?」
「言った筈だ、俺は男だしこのゆりゆり星では……」

「ソラさん、エムピ星人はまほうやちょうのうりょくが使えるなら、一時的に女の子になれないんですか?」
「なれる事はなれるが。ただ俺は絶対女の子になりたくない」

「どうしてですか……?」
「お兄ちゃん、そんなに女の子は嫌い?」
「女の子って気持ちいいのに……」

「ツーキーちゃーん」
「ごめんなさい黙ってます……」

「女の子が嫌な訳じゃない。ただ俺はエムピ星人の超能力者として男で生まれた。そんな俺が女の子になってしまったら、俺の中から男性的な精神力が消えてしまうのだ。そうなってしまったら、エムピ星人の場合は地球人の女体化と違って体質にも影響が出てしまう。男性的な精神力を失ったら、再び俺が男に戻れるか分からない」

「なるほど……じゃあエムピ星人達は、かんたんにせいてんかんってできないんですね」

「勿論自ら望んで戻れなくてもいいなら別だよー。あたしだって最初はおと」
「しーっ! ツキちゃん!」
「んぐっ……」

 ルナちゃんはあわててツキちゃんの口に手を当てました。
 何か言おうとしたけれど、口止めをされてしまったツキちゃん。

 ツキちゃんは……何を言おうとしたのだろう?

「何だろう、気になる」
「あははっ、輝月ちゃん、何でもないから……」

「ルナちゃーん、何で口止めするのー」
「だ、だってそれはー……」
「そんなに言っちゃダメな事だったかなぁー」

「……まあ秘密と言うのは、あまり無暗に他人へ口外しない方がいい場合もある」
「ほら、お兄ちゃんもこう言ってるし……」
「うーん、分かったよ」

 結局何だったんだろう? 分からないけれどまあいいかな。


「よし、じゃあ俺はこの間別の星にでも行ってるから、3人で行ってきな」
「でもお兄ちゃんが居ないと……万が一何かしらあった時、心配だよぉ」
「大丈夫だろ、ルナは魔法少女なんだし」

「で、でもぉ、魔法少女……あ、そうだ!」

 ルナちゃんは何かを思い付いたようです。

「お兄ちゃんが魔法少女みたいになれたらいいな♪ えいっ!」
「わ、ルナ! 何を……!」

 ルナちゃんはじゅもんを唱えて、ソラさんへまほうをかけたのです。
 するとまほうをかけられたソラさんは……。

「わー、ソラさん……」
「ソラさん……か、かわいい」

 クールっぽい外見だったソラさんは、ピンクのフリフリないしょうに身を包んでいて……。
 かみがたもツインテール風に変わってしまっていました。

「ルーナー、これは何のまねだー」
「ふふっ、お兄ちゃんが魔法少女になっちゃえばいいのよ♪」
「下半身に違和感は……特にないな、男のままか」
「魔法少女"みたいに"だからね。格好だけそれっぽく見えれば大丈夫でしょ?」

「わーわーソラさん、めちゃめちゃかわいいですぅー!」
「オプションで武器っぽく弓矢も付けられるけど」
「いらん……」
「じゃあ白いマスコットとかは?」
「いらん……でもマスコットって魔法少女の精霊だよな。リリを思い出すな」

「リリって……ソラさんの家族ですか?」
「リリは前まで一緒に住んでた猫型の精霊よ。今は地球に行っててね、そこで地球の女の子を魔法少女にスカウトしていると思うよ」

「えーとつまり、せいれい自らのえいぎょうによるまほう少女のケーヤクですか?」
「……魂なんか抜いたりしないからな?」
「はい分かってます」

「せっかく地球へ行くなら……リリに会いたいな。今頃魔法少女をスカウトできたかな?」
「どうだろうな、リリの事だからどうせ精霊だって打ち明けられずに、普通に飼い猫の振りでもしてるかもな」

「2人はその、リリちゃんの事が大好きだったんですね」
「うん、私のかわいい自慢の精霊だったんですもの」
「リリが居てくれた頃は今以上に賑やかだったもんだ」
「精霊の魔力はとても強くてねー、リリちゃんの魔力は少なくとも今のルナちゃん以上はあるかなー?」

「へー、そうなんだ。せいれいってすごいんだね」

「それであたしね、魔力の高いリリちゃんに魔法を掛けてもらっておとk」
「しーっ! ツキちゃんったら!」
「んぐっ……」

 ルナちゃんはあわててツキちゃんの口に手を当てました。
 何か言おうとしたけれど、口止めをされてしまったツキちゃん。
 何か……とてもデジャヴな光景でした。

「それにしてもぐうぜんですね。うちにもリリちゃんって言う名前のねこがいるんですよ」
「えっ、そうなんだ!? わー地球に行ったら会ってみたいなぁ!」
「人なつっこくて、とってもかわいいねこちゃんだよ」
「わー、あたしも会ってみたーい」
「ふむ、それは本当に偶然だな」

「ですよねー、何だか同じ名前のねこだなんて運命を感じますね」

 リリちゃん……うちのリリちゃんは元気にしてるかな?
 でも……きっとわたしがいなくても、お姉ちゃんがいるからだいじょうぶだよね?

「お兄ちゃん、そろそろ行こ?」
「……何だかプライドを傷付けられた気がするが、仕方無い。俺も行くか」
「お兄ちゃんダメっ! 女の子になりきりなさい!」
「おいおい無茶を言うな。俺は男」
「まずはその俺って言うのを! 私と言いなさい!」

「勘弁してくれよ……」

 ルナちゃんはきびしくソラさんに、女の子のあり方をたたきこんでいました。
 何だかソラさんのプライドが、大分ズタズタにされてしまっていたような……。


 そして数分後、ようやくゆりゆり星のたんさくを開始します。

「さっ、出発しましょ♪」
「わーい行こう行こうー」
「ソラさん、だいじょうぶですか……?」

「……うん、私は、大丈夫よ……あはは」

 何だかソラさんは顔を引きつったままで……。

「こら、もっと自然な表情をする!」
「うぅっ……何で私がこんな目に……」
「輝月ちゃんの為! そしてかわいい妹の為よ!」

「……しょうがないかぁ」

 ソラさんは観念したらしく、プライドをすてていっしょに行ってくれる事になりました。

「それではレッツゴー。おに……じゃなくてお姉ちゃん。輝月ちゃんの欠片は何処にあるの?」
「超能力を使っている所を見られたら……バレるかもしれない。ルナ、おま……あなたがどうにかして探して?」

「うーん、仕方無いかぁ。分かったよ」
「わールナちゃん頑張れー」
「ルナちゃん、お願い」

 ルナちゃんはきっと、まほうでも使ってどうにかしてくれるかな?

「よし、じゃあ近場から徹底的に総当たりで探すよ!」
「え、ちょ、そう当たりって……まほうは!?」
「輝月ちゃん、奇跡も魔法も無いんだよ……」
「えーとそれ、どこかで聞いたような;」

「私の魔法レベルではね、まだ物を出す魔法も透視もできないの……ごめんね」
「なるほど、まほうもばんのうってわけではないんだね」
「魔力が物凄く高くなれば、もっと色々できるのだけれど……」

「今まで透視などは俺……じゃない、私……が請け負っていたから」
「そっかー……」

 まほうで何かすごい事でもするのかな、と期待していただけに……ちょっと残念でした。

「ねえねえー、輝月ちゃーん」
「何? ツキちゃ」
『ぎゅっ』
「わわっ(///」

 ツキちゃんが急に、わたしの身体をぎゅっとだいてきたのです。

「ちょ、ツキちゃん何やって」
「輝月ちゃーん、大好きだよー」

「ツキちゃん、輝月ちゃん困ってるでしょ!?」
「輝月ちゃーん」
「わーっ、ちょ、ツキちゃんどこさわろうとしてるのぉー!(///」

「ツキちゃん! いい加減に」

「ルナ……これはきっとこの星の影響だわ」
「星の……影響?」

「この星からは、百合に満ちた物凄いエネルギーが放出されている。私はまあ……影響無いだろうけど、きっとルナと輝月も……」

「ツ、ツキちゃん……ま、まあこういうのも悪くないかも……」

 ツキちゃんにだき付かれたわたしは、なぜかうっとりとした気持ちになってしまって。
 身体にまかせるがままに、いつの間にかツキちゃんを受け入れてしまっていたのです……。

「ツキちゃーん……もっと、もっとだいてぇー」
「あたし達、きっと2人でこうなる運命だったのよ。もうあたし達を誰も止められないわ」
「うわー2人共……な、何だか私も見てたらムラムラしてきちゃったよ……」

「まずい、きっとルナもこの星の影響を……」

「ルナ……あたし達の邪魔はさせないわ。元は男の子だったあたしだけど、輝月ちゃんへのゆりゆりな気持ちは負けないんだから!」

「えー、ツキちゃんって元は男の子だったのー? じゃあわたしと同じなんだねー」
「あ、ツキちゃんバラしちゃった……。これってもしかして、どっちも本当は元男の子で……」
「な、何だか凄い組み合わせだよな……」

「ルナー、邪魔はさせないよー。輝月ちゃん、2人で逃げるよ?」
「うんー、ツキちゃんがそう言うならー」

 わたしはツキちゃんに手を引かれて……ルナちゃん達から走ってにげました。

「あ、ちょっとツキちゃん! 輝月ちゃんまで……! 輝月ちゃんは、輝月ちゃんはツキちゃんなんかに渡さないんだからー!」

「あ、おい、ルナ、ちょ……ルナにも影響が出てしまったか……」

 ルナちゃんはおくれてわたし達を追いかけてきました。

「と言うか俺、置いてけぼり……おいおい、こんなにプライドをズタボロにされて、女装し損かよ……」

「ま、かわいい女の子ねー。あなた1人なの?」
「え? お、私は、その……」
「何これ宇宙船ー? あなた、何処かの遠い星から来たの?」
「ま、まぁ……うん」
「どの星から来たのー?」

(宇宙船を調べられればきっとエムピ星人だと言う事はバレるかもな……)

「エムピ星と言う星から来たんです……」
「わー、だからそんな格好なんだー。エムピ星の魔法"少女"さんなんだねー」
「は、はい……」(俺が魔法少女だなんて……物凄い苦痛だ)

「ねえねえー、私といい事しませんかー?」
「え、いい事って……」
「興味があるか、そういう気があるからこの星に来たんでしょー?」

「や、私は……」

「問答無用ー。私と一緒に行きましょー」
「わー、ルーナー、助けてくれーーー」

 ソラさんは通りがかったかわいい女の子に連れて行かれてしまいました……。


「輝月ちゃーん、ルナちゃんまだ追い掛けて来るねー」
「はぁ、はぁ、うん……ツキちゃーん、わたしつかれたー」
「じゃあ輝月ちゃん、あの建物の陰に隠れようよー」
「う、うん!」

 わたしはツキちゃんに手を引かれて、ルナちゃんの前からすがたを暗まして……。

「あれ、輝月!? ツキ!? 何処へ行っちゃったの!? あっちかしら」

「ルナちゃん……行ったみたいだよ」
「ツキちゃん……」
「輝月ちゃん、これでようやく2人きりだねー」
「ツキちゃーん」
「か、輝月ちゃん……はぁっ、はぁっ、かわいい……輝月ちゃん!」

 わたしはツキちゃんに思い切り「ぎゅっ」とだき付かれました。
 そしてわたしはそれを受け入れて、そのままツキちゃんと……。


「るーんるん♪」
「はぁ、何で私がこんな目に……」
「ねえねえー、お腹空いてないー?」
「べ、別に大丈夫だ」

『ぐぅー……』

「今の音はー?」
「うぅ……そ、そういえばまだお昼ご飯、食べていなかったな……」
「じゃあそこのケーキ屋さんで、私とティーでもしましょうよー」

「ま、まあいいか……うん、行こう」

 ソラさんは女の子とケーキ屋さんでティータイムを。

「はぁはぁ……ツキちゃんは一体何処に……ん、ケーキ屋さん? おいしそう……」

 そこへ通りがかったルナちゃん。
 あまいにおいにつられてケーキ屋さんの方を見つめている……。

「あ、あのーお姉ちゃん」
「え、お姉ちゃんって……私?」
「は、はい……お姉ちゃん、1人なの?」

 ルナちゃんに童顔の少女が話し掛けてきました。

「えーと私は……」

「お姉ちゃん、もし時間あったらー、あたしとここでケーキでも食べませんかー?」
「え、でも今はそれどころじゃ……」

「ダメなの? お姉ちゃん?」

『どっきゅーん!』(何この子、めちゃくちゃかわいい困り顔……)

「ねえねえ、お姉ちゃーん」

(そ、それにお姉ちゃんって言われるのも何だか嬉しい……)
「そ、そうね。お腹も空いたし……いいわよ、甘いケーキ食べましょ♪」

「お姉ちゃん、ありがとですー」

(胸がきゅんきゅんする……楽しみ!)

 ルナちゃんも少女とケーキ屋さんへ入りました。


 一方その頃の私達は……。

「ツキちゃん……だ、大胆過ぎるよ……」
「だって私達の愛の仲だもーん」

 何だかとても大声では言えないような事をやってしまって……。
 このゆりゆり星は元々そういう特性の星なので、野外だろうが関係なく凄い事をしている女の子達も所々に居るようです……。

「ねえツキちゃーん、ルナちゃん居なくなっちゃったけどいいのー?」
「うーん、あたし達もうやる事はやったしー、ルナちゃん捜そうかー」
「うんー、そうだね……」

 ゆりゆり星の影響を受けてしまっていた私達。
 でもお互いの身体同士でやる事をやった私達は……多少影響が和らいだみたいです。
 やる事をやってお互い満たされたようで、徐々に我に返っていました。
 私達はルナちゃんを捜すべく、とりあえずゆりゆり星の街を歩き出しました。

「それにしてもツキちゃん、私と同じで元は男の子だったなんて」
「こんなあたし……気持ち悪いかな?」
「全然そんな事はない。だってツキちゃん、完全な女の子だったし」

 さっきツキちゃんとそういう事をやっていて、ツキちゃんは完全な女の子にしか思えなかった。

「あはっ、ありがとう。良かったー……実はあたしね、元々心が女の子だったっぽいの」
「それって……性同一障害ってやつ?」
「うん……どうもね、そのせいかあたしは男性的な精神力を高める事ができなかった」
「つまり超能力が使えなかったって事?」
「そうなんだ。1年前、高校の試験で男の子のあたしは超能力の試験があったんだけど。その結果がボロボロ過ぎてね」
「え、高校生って……ツキちゃん、高校生だったの?」
「うん、そうだけど?」

 一見ツキちゃんは私と同じくらいの年齢に見えるけれど……実はツキちゃん、私よりもずっと年上なのかもしれない。
 エムピ星人は地球人と違って、年齢による成長の仕方が違ったりするのかな?
 と言う事はルナちゃんも年上だったりして……そうなるとソラさん何て一体何歳なのだろう。

「あたしね、その時もうこれ以上男の子としてやっていくのは無理、って感じたんだ。でも超能力が使えないから、あたしは自ら女の子になる事ができない」
「ツキちゃん、大変だったんだね……」
「そんな時、同級生だったソラさんからね、リリちゃんのお話を聞いたんだ」
「え、ソラさんがツキちゃんの同級生!?」
「うん、そうだよ? ソラさんは今高校2年生で、あたしの同級生なんだよ」
「え? で、でも、ルナちゃんからツキちゃんはクラスメートだって聞いたけど……どういう事?」
「あー……そういえばそうだよね。確かにあたしは今、ルナちゃんのクラスメートだよ?」
「ルナちゃんもツキちゃんもソラさんも、皆同じ年齢って事? じゃあソラさんがお兄さんなのにルナちゃんが妹って、双子なの?」
「違うよー、えーと実はね、あたしはねー」

 ツキちゃんは私に、自分の状況を細かく話してくれました。

「超能力試験の結果がボロボロだったのが、1年前で高校1年生の3学期の事で」
「うんうん」
「同級生のソラさんにリリちゃんの事を聞いたのがその直後で」
「ふむふむ」
「そして高校2年生の新学期からあたしは女の子になって」
「ほむほむ」
「あたしはルナちゃんの同級生になったんだ」
「つまり……どういう事?」
「あたしね、女の子になる際に5歳程年齢が戻っちゃったみたいなの」
「え、そうだったの?」
「うん、きっとエムピ星のあたしは女の子になった事で体質が変わってしまって、魔法の源を身体の中で生成する体質になったんだ」
「うん、ソラさんから聞いたよ。エムピ星の女の子はそうみたいだね」
「でも魔法で急に女の子になってしまったあたしが、身体の中で高2の女の子として、年齢相応の魔力を生成するのは負担が大き過ぎたみたい」
「そうなんだ……」
「それで魔力生成をちょっとずつ新しい身体で慣らして行く為なのか、私は魔力が生成されるばかりの12歳に年齢退行してしまったようなの」
「なるほど、それでルナちゃんと同級生になったんだね」
「うん、今ではルナちゃんはあたしの良き理解者で、仲良しのお友達だよ」
「ルナちゃんとツキちゃんって、12歳なら今は6年生なの?」
「うんー、あたしもルナちゃんも12歳の女の子だよー」
「ツキちゃんは魔法は使えないの?」
「あたしはさっきお話した通り。魔力は生成されるけど身体がまだ慣れてないんだ」
「なるほど、それじゃあ魔法少女としてはまだまだこれからなのかな」
「ルナちゃんに色々教わっているから、そのうちあたしも素敵な魔法少女になれるといいな」
「ツキちゃん……きっとなれるよ。ツキちゃんならきっとなれる」
「うん、ありがとう。輝月ちゃん」

 私はツキちゃんの事を聞きながら、街を歩いていました。

「あれ、輝月ちゃん。何だろうあれ」
「うん? 光り輝く何かが……」

 ショッピングモールのようなお店の壁に、まるで立て掛けられているかのように光輝く何かがありました。
 街を歩いている女の子達は、それに全く見向きもせず……。

「何だか皆には見えてないっぽい?」
「そんな感じがするよね……?」

 私はそれが何なのか気になり、ツキちゃんと一緒に近付きました。
 試しに私がその物体に触れてみると……。

「わっ……今、頭の中に男の子の時の私の姿が見えた」
「と言う事はこれ、輝月ちゃんの男の子の欠片!?」
「わー、そうみたいだね!?」

 私はるんるん気分で男の子の欠片を手に取りました。

「わっ、何だかこれ、温かい……何だか安心できる」
「元々輝月ちゃんの物だったからかな?」

『じーっ』

「ねえツキちゃん、何だか視線感じない?」
「うん、あたしも同じ事、思ってた」

「ねえあの子、何か男の子の気配がする物を持ってるよ?」
「あれって男の子の欠片じゃない?」
「それを持ってるって事は、あの女の子は……本当は男の子?」

「うっ、何だか他人の視線が痛い……」
「輝月ちゃん、宇宙船へ戻ろう!」
「う、うん、何だかまずそうだよね……」

 私は男の子の欠片を大事に守り、ツキちゃんと宇宙船へ戻りました。
 街行く人々の視線が、何だかとても痛かったです……。


「あははっ、そうなんだー」
「は、はい……」(何で俺がこんな目に……)

 一方ソラさんは女の子とティータイムでケーキを食べていました。

「でさー、私のお友達のツキちゃんって子がさー」
「え、そうなんですか? それは凄いですねー」
(え、ルナの声が……げっ、ルナ! 何でお前がここに居るんだ……)
「どうしましたの?」
「は、はいっ!? い、いえ、何でもないです……」
「ん、今の声は……」(さっき宇宙船の所で聞いたお兄ちゃんの裏声……)
「えーと、どうしました?」
(わっ、お兄ちゃんが居る!)
(げっ、ルナに見つかったか……? 妹の前で女の子になりきれとか……どんな拷問だよ)
「あのー」
「は、はい……え、えーと」
「ケーキの手が止まってますわよ? お腹いっぱいになったのかな?」
「あ、いえ……私、まだ食べられますわ」(人生最大の苦痛だ……)
(あはっ、お兄ちゃんったらー何かおかしいー笑っちゃいそうー)
「あはははは」
「あのーどうしましたー?」
「あ、何でもないのよ、気にしないで? それよりケーキおいしいね?」
「はいー、お姉ちゃんと一緒だと味も別格ですわー」
「ま、嬉しい(///」
(ルナの奴、ずーっと見てやがる……)
「ティーのおかわりはいかがかしら?」
「あ、じゃあお願いしますわ……」

 女の子がソラさんのカップにティーを注ぎました。
 そのティーを受け取ろうとしたソラさん、でも妹の視線が気になってしまい……。

『バシャ!』
「あ……」

 手を滑らせてしまい、ティーを服にこぼしてしまったのです。

「まあ大変! 今すぐ私が拭きますわ」
「え、いい。自分でやるから」
(お兄ちゃ……もーう、何やってるのよー見てられないなー)
「何だかあっちの席が騒がしいですね?」
「あ、何かティーをこぼしちゃったみたいよー? あ、ティーおかわり」
「あ、はいどうぞ。注いであげるですよ」
「ありがとー♪」

「遠慮せずに、かわいいお洋服が染みになると大変ですからすぐに……あれ?」
「あ、そこは……」

 女の子は服を拭こうとして、ソラさんの股間を触ってしまい……。

「股間に何か……そういえばあなた、胸がやけに……」
「こ、これはその……」
「あなた、まさか……男の方ですの!?」

「え、男だって!?」
「男の人が居るの!?」
「きゃー襲われるのかしら!?」

 ソラさんが男だと周りに発覚後、途端にお店中は大騒ぎになってしまい……。

「な、何だかまずいぞ……ルナ!」
「うん、お兄ちゃん!」
「えっ、あっちの魔法少女さんの事を……今、お兄ちゃんって?」
「ごめん、あの人、私のお兄ちゃんなの!」
「え、そ、そうだったんですか……わーあたし逃げますー」

 店内は大混乱となってしまっています。

「おっとその前に……お代置いとくから! 俺とルナと少女の分と君の分と……これだけあれば足りるよな!?」
「こ、こんなにお金が……」
「ルナ、急いで戻るぞ!」
「う、うん!」

 ソラさんとルナちゃんは、慌てて店内を飛び出して行きました……。

「こんなにも大金を置いて行くだなんて……男の人って、悪い生き物ではないのかも……」


「はぁっ、はぁっ……ようやく戻って来れた……」
「うん、疲れたね……視線が痛かったよ」
「2人共ー」
「おーい無事かー?」
「ルナちゃん、ソラさん!」
「急いで宇宙船へ乗り込むんだ! 早く!」
「お兄ちゃんがドジっちゃって、男だってバレたの! 星の住人達が混乱してるわ!」
「あたし達の方も……輝月ちゃんの男の子の欠片で、男だってバレたかも」
「男の子の欠片、あったんだ!?」
「うん、これ!」

 私はルナちゃんに男の子の欠片を見せました。

「うわー……何だかとても輝いてるね」
「何やってるんだ、後にしろ!」
「早く乗らないと!」
「わっ、ごめん!」
「う、うん!」

 私達は急いで宇宙船へ乗り込み、一目散にゆりゆり星を後にしました。


「ふー、散々な目に遭ったぞ……」
「精神的に疲れた……」
「輝月ちゃん、あの欠片きっと見えてなかったんじゃなくて、男の子の気配がしたから皆見て見ぬ振りをしてただけじゃ……」
「どうやらそうだったみたいだね……」
「疲れたな……ちょっとモニターでテレビでも観て、一息付くか」

 ソラさんはモニターの電源を入れて、テレビ番組を映し出しました。

『ここで臨時宇宙ニュースです。ゆりゆり星が今後、特例として男の娘を受け入れたいとの発表がありました』
「私達が今居た星のニュースだ……」
『現場の女の子よりインタビューです』
『私とティータイムをしていたエムピ星の男の子が、こんなに大金を置いて行ってくださったんですよー。かわいかったし、男の娘ならば悪い生き物じゃないわ』
「この女の子はさっきの……」
『と言う事だそうです。また、ゆりゆり星では同じ頃に、男の子のオーラを放つ2人の女の子の目撃証言が相次ぎ、かわいかったとの意見が多数寄せられております。恐らくケーキ屋に現れた男の娘の関係者だろうとして、この女の子達が男性であり、男の娘であったかもしれない可能性が浮上しておりまして』
「輝月ちゃん、もしかしてそれって……」
「私達の事……?」
「私達がゆりゆり星へ降りた事で、星の伝統を変えてしまっただなんて……」
「みたいだな、何だか凄い事をしてしまったな……」

 どうやら2人が言うに、私達は凄い事をやらかしてしまったそうです……。
 で、でも悪い方向に進んではいないみたいだし、良かったのかな?

 ゆりゆり星の人達がちょっとでも男に理解を持ち、歩み寄ってくれたならばね。

「輝月、その欠片をこっちに貸してくれるか?」
「はい、ソラさん」
「欠片は俺が保管しといてやるからな」
「はい、お願いします」
「ところでルナ……この格好、早く戻してくれないか?」

 そういえばソラさん、魔法少女の格好のままで……。

「えー、私魔力低いし戻す事何てできないよー?」
「おーいルナー、勘弁してくれよー!」
「てへぺろ☆」

 ソラさんはその後……元の外見に戻すのに、相当苦労したそうです……。


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  • 最終更新:2018-02-09 23:11:18

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