4.食後のプリン

 魔法少女ゆいちゃん 4.食後のプリン

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「ねえゆいちゃん、いつもお昼1人なの?」
「えーと、誰?」
「え、ゆいちゃん私が分からない? 同じクラスのりんって言うんだけどー」

 ゆいちゃんは中庭でお昼を食べていました。
 すると、同じクラスのりんちゃんと言う女の子に声を掛けられました。

「あ、もちろん分かるよ。りんちゃん☆」

 ゆいちゃんはニッコリと返して、りんちゃんに答えました。

(本当は誰だか分からない、だなんて言えないよねー。とりあえず話合わせておけばいいよね)

 ゆいちゃん、本当は分からなかったようです……。


「ねえゆいちゃん、お隣いいかな?」
「うん、いいよ☆」

 りんちゃんはお弁当箱を持って、ゆいちゃんの座っているベンチにちょこんと座りました。

「ゆいちゃん、えへへ」
「ん、りんちゃんどうしたの?」
「私ね、実はゆいちゃんと仲良くなりたかったんだー」
「ふーん、そうなんだー」
「ゆいちゃんの事、前からかわいいなって思ってたんだ」

「か、かわいい!? ゆいが!?」

 ゆいちゃんは何だか頬を火照らせつつも、少し嬉しそうに反応しました。

「うんー、私かわいい子に目がないのー」
「ゆいかわいい? えへへ(///」

 ゆいちゃんは満更でもないようです。

「でもゆいちゃん、最近は前着てたワンピースじゃないんだね?」
「前着てたワンピースって?」
「あのクリーム色のひらひらで、かわいかったワンピースだよー」

「あー、飽きて燃やしちゃったあのワンピースかぁ」

 ゆいちゃんはぼそりと呟きました。

「へ? 燃やしたって」
「あ、何でもないの! こっちの話☆」
「ゆいちゃんって何だか面白くてかわいいよねー」

「えへへ、りんちゃんもっと言って(///」

 ゆいちゃんは何だか、かわいいと言われてすっかり調子に乗っていました。


「さてと、そろそろ食後のお楽しみだー」
「りんちゃん、食後のお楽しみって?」

 暫くお話をしながらお弁当を食べ進めると、りんちゃんは何かを取り出しました。

「じゃーん! りんの大好きなプリンだよ♪」
「え、プリン!? ゆいも大好きだよ☆」
「さーてこれから頂いちゃおーう」

 りんちゃんは上部のフィルムをベリッとめくって、スプーンを取り出して美味しそうにプリンを頬張りました。

「うーん☆ この味と触感がたまらない……幸せー」
「ねえりんちゃん、ゆいもゆいも!」
「え、ごめんねー私のしかないんだ」
「ぶー、ゆいも食べたいのにー」
「じゃあゆいちゃん、明日はゆいちゃんのも持ってきてあげるよ。それでいいかな?」

 ゆいちゃんは図々しいと言いますか、わがままと言いますか……。
 しかしりんちゃんは、そんなゆいちゃんの言う事を聞いてあげようとしました。

「うん、それならいいよ☆」

 そんなお話をしつつ、りんちゃんはプリンを平らげて満足そうな表情をしていました。


 そして次の日のお昼。

「りんちゃんー! プリンはー!?」

 ゆいちゃんはプリンが楽しみだったようで、中庭でりんちゃんを見つける早々元気に訊きました。

「あ、ゆいちゃんー。ごめんねー」
「え、ごめんねって?」
「昨日冷蔵庫見たらねー、プリンがもう1つしか残ってなくてねー」
「じゃあそのプリンをゆいにくれるのね!?」
「えーとね、私もプリン大好きだから……また明日! お母さんに言ってプリン買ってきてもらうから、さ?」
「なにそれ……ゆいの楽しみは何だったのー」
「ごめんってばー。明日こそ絶対あげるから許して、ね?」
「ぶー、分かったよー。絶対だよー?」

 ゆいちゃんはプリンを食べられませんでした。


 そして更に次の日のお昼。

「りんちゃんー! プリンプリンー!」
「あ、ゆいちゃーん……ご、ごめんねー」
「え、ごめんねって……またなの?」

 りんちゃんはゆいちゃんに声を掛けられて早々、速攻でゆいちゃんに謝りました。

「お母さんがプリン買い忘れちゃってー、今日は私もプリン無いのよー」
「え、りんちゃん何それ。明日こそ絶対って言ったよね?」
「うん、言ったけど……だからごめんってばー!」

 りんちゃん自身も今日はプリンが無くてガッカリのようです。
 そしてゆいちゃんに対して、非常に申し訳ないと思っているようです。

「ごめんで済めばプリンはいらないよー! りんちゃん、責任取ってくれる?」
「え、責任って……」
「りんちゃんが約束破るのが悪いんだよ、責任持ってゆいのプリンになってね!」

 ゆいちゃんはスカートからステッキを取り出すと、りんちゃんに魔法を掛けました。
 ステッキから発射された光線がりんちゃんに当たると、彼女はたちまち姿を変えて行きます。

 ゆいちゃんの座っている横には、カップに入った美味しそうなプリンが1つありました。

(えっ、ゆいちゃん何これ!? どうなってるの!?)
「りんちゃんがプリンになったんだよ!」
(え、何で私がプリンに……ゆいちゃん、何でそんな事ができるの!?)
「えー、別にどうだっていいでしょー。プリンには関係無い事だもーん」
(プリンって……私はりん、だよ!?)

 りんちゃんは美味しそうなプリンの姿に変えられつつも、必死に自分自身を主張します。

「えー、こんな美味しそうなプリンが何言ってるのー?」
(ねえゆいちゃん、私をプリンにしたのってまさか……食べちゃう、の?)
「こんな美味しそうなプリン、食べるなって方が無理じゃないの?」

 ゆいちゃんの言葉を聞いて、プリンは一瞬ビクッとしたように見えました。

(や、やぁ……やだぁ、食べないで、ゆいちゃん、食べないでぇ)
「プリンの約束、破ったりんちゃんが悪いんだよ? 食べ物の恨みは恐ろしいんだから☆」
(何でもします、何でもしますから……だ、だから)
「ほんと!? 何でもしてくれるの!?」
(ほんとだよ、ゆいちゃんの為なら何でもしますから……)

 りんちゃんは必死に命乞いをしています。

「じゃあゆいの為に、美味しく食べられて栄養になってね☆」
(そんなぁー!!)
「さーていただきまーす……って、スプーンがないじゃない」

 ゆいちゃんがプリンを食べようとすると、スプーンが無い事に気付きました。

「うーん、せっかくだしお口にプッチンして一気に食べちゃおっか☆」
(プッチンで一気にって……)

 ゆいちゃんはプリンのカップをひっくり返すと、カップの底に付いている尖った突起を折りました。

「これでフィルムを剥がせばプッチンって出てくるね☆」
(やぁー、ゆいちゃんお願い、食べないでぇ……)

 ゆいちゃんはニコニコしながら、プリンのフィルムをベリッと剥がしました。


「さーていただきまー……あっ!」

 ゆいちゃんがプリンを口の中に流し込もうとした途端、手を滑らせてカップを落としてしまいました。
 カップはコロコロと転がって行って、中庭の端の方まで転がって行きます。

「ゆいのプリン待てー!」

 ゆいちゃんは必死にプリンを追い掛けます。
 しかしカップは勢い良くコロコロと転がって、しまいには中庭の端まで来てしまいました。

 中庭の1番端部分には溝があって、汚い水が溜まっています。
 要するにドブが通っているのです。
 普段中庭の端まで来る生徒はそうそう居ませんので、特にドブがあっても気にする生徒は誰1人居ませんでした。

「あーっ!」

 プリンのカップが勢い良くポチャンと落ちました。
 プッチン状態でカップから取り出しやすくなっていたプリンは、みるみるうちに中身が流れ出て行きます。
 プリンはドブの水に流れ込んでしまい、次第にドブの水と混ざって同化して行きました。

「あー、ゆいのプリンがー……うぅっ、お楽しみだったのにー!」

 いつの間にかりんちゃんの声も聞こえなくなっていました。
 今のりんちゃんはプリンで、彼女に取ってはプリン自体が身体のような物。
 その身体に当たる中身が流れ出てしまったのだから、もしかしたらもう死んでしまったのでしょうか。

 しかしゆいちゃんから見れば、ただのプリンをドブに落としてしまっただけに過ぎません。
 ドブに落として中身をぶちまけてしまった、ただそれだけの事なのです。

「うーっ……まあしょーがないか。さすがにこんな汚い所に落ちたのなんかもう食べられないよねー。プリンなんて食べようとすればいくらでも手に入るし、もういいやー」

 プリンにされてしまった女の子。
 せめて食べ物になってしまったならば、食べられて死を迎えられればまだマシだったのかもしれません。
 果たしてドブにぶちまけられてしまうのと、食べられてしまうのと、どちらの方が彼女に取って幸せだったのでしょうか。

 ゆいちゃんは一旦プリンの事を諦めて、そのまま教室へと戻ってしまいました。
 後日りんちゃんと言う女の子が行方不明になって、クラスで騒ぎになったと言う事は言うまでもありません。


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  • 最終更新:2018-02-09 16:38:00

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