24.桜姉妹のバレンタイン

 魔法少女ゆいちゃん 24.桜姉妹のバレンタイン

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  • TF 食品化



「あー、今日ってバレンタインだっけー。何で女の子がチョコ上げなくちゃならないの!?」
 今日はバレンタインデーです。
 ゆいちゃんはケーキを始め、甘い物がとても大好きなのです。
 そんなゆいちゃんは、女の子側がチョコを上げるバレンタインの風習を嫌っているようです。
「でもちょうど今日って日曜日なんだよね。だからゆいが学校でチョコ上げなくちゃ! と言う事はしなくていいけどー。でもゆいだってチョコ食べたいしー!」
 ゆいちゃんはチョコレートが食べたくてたまらないようです。
「あ、そうだ! 手軽な女の子でも探して美味しいチョコをゲットしちゃおう!」
 こうして今回もゆいちゃんの悪巧みが始まるのです……もとい、本人は「悪い事」と言う自覚が全然無いようですけどね。

「おねえちゃん、今年のチョコも気合い入ってるね」
「もちろんだよ! だってこのチョコは……(///」
(おねえちゃんったら顔を赤くして……やっぱり、本命チョコなんだろうね)
 バレンタイン当日、みい子ちゃんとみうちゃんはみい子ちゃんの幼なじみ、ろっくんへバレンタインチョコを届けに向かってました。
「あ、桜みう!」
「え、その声は……げっ、ゆいちゃん……」
「だーれ? みうのお友達?」
「えーと、お友達と言うか何と言うか、その……」
 ゆいちゃんは街中で桜姉妹と遭遇しました。
 みうちゃんの姉であるみい子ちゃんと顔を合わせるのは初めてのようです。
「みうちゃん、おねえちゃん居たんだ!?」
「え、うん、まあ」
「胸も少し大きいし、チョコにしたらおいしいかな? かな!?」
「ゆいちゃんもしや……おねえちゃんを狙ってる!?」
 みうちゃんはすぐに察しました。
 今日はバレンタイン、となるとゆいちゃんはきっとチョコが欲しくて街をうろついているのだと。
 そしてきっと手頃な女の子をチョコにしてしまおう、とそう考えているのだろうと。
「みう、どういう事?」
「おねえちゃん! この子危ないの! おねえちゃんは逃げて!」
「え、ちょっとみう。一体どういう事?」
 みうちゃんが戦う準備をしておねえちゃんを逃がそうとしましたが……。
「逃がさないもんね! えいっ!」
 みうちゃんが準備を終える前に、ゆいちゃんが先手で魔法を撃ってきたのです。
「きゃあーーー!」
「お、おねえちゃーーーん!」
 魔法はみい子ちゃんに直撃しました。
 するとみい子ちゃんの身体は茶色になりながら徐々に縮んで行き……あっと言う間にチョコレートになってしまったのです。
 みい子ちゃんが持っていたチョコは、地面にポトッと落ちてしまいました。
「やったー! おいしそうなチョコができたー!」
「ゆいちゃん……許せない。よくもおねえちゃんをこんな目に!」
 みうちゃんは目の前でおねえちゃんにこんな事をされたからでしょうか。
 珍しく今回は本気でマジギレしてしまったようです……。
「ゆいちゃんなんてチョコケーキになっちゃえー! えいっ!」
「わっとと! 危ないなーもう! みうちゃん、大人しくそのチョコをゆいによこしなさい!」
「おねえちゃんの仇ー!」
 みうちゃんはゆいちゃんに向かって魔法を撃ちまくりました。
 しかしゆいちゃんは軽快な身のこなしで、すれすれの部分で攻撃を避け切ってしまいます。
 次第にみうちゃんは魔力を使い過ぎてしまって、息切れしてきました。
「はぁ……はぁ……ゆいちゃんお願い。みうの事、食べてもいいから。だから、おねえちゃんは助けてあげて……」
(みう……みい子、やだよ。みうが居なくなるなんて……)
「え、おねえちゃん!?」
 そうなのです、チョコになってしまってもおねえちゃんの意識はしっかりと残っていたのです。
 魔法少女であるみうちゃんは、おねえちゃんの心の声をキャッチしたのです。
(ゆいちゃん、みい子の事を食べても構いません。だから、みうには手を出さないでください……)
 おねえちゃんはどうやら、ゆいちゃんがみうちゃんと敵対する者であると分かったようです。
 そしてこんな状況になりつつも、自分を犠牲にしてまで妹の事を守ろうとしているのです。
「みうちゃん、おねえちゃんこう言ってるよ? そのチョコをくれれば、今回はみうちゃんを見逃してもいいかな!?」
(どうしよう……時間を戻す事はできるけど、それでもおねえちゃんが食べられちゃうなんて見過ごせない。どうにか助けたい……)
 みうちゃんは悩んで考えていました。
「隙ありー!」
「わわっ! ……ゆーいーちゃーーーん!?」
 ゆいちゃんはいつも通りのお得意な隙を付いた攻撃を狙ったようです。
 しかしみうちゃんもさすがに学習していたようで、どうにか急な攻撃を避け切りました。
「みう、もうマジでキレた! こうなったらもう意地でもおねえちゃんを助けるもん!」
 みうちゃんは何かの呪文を唱えて、チョコになったおねえちゃんに魔法を掛けました。
「みうちゃん、一体何の魔法を使ったの!?」
「あ、あれ……みい子どうなったの?」
(さあゆいちゃん、みうを食べて! 早く! その代わりおねえちゃんには手を出さないで!)
 何とみうちゃんはチョコになってしまったおねえちゃんの意識と、自らの意識を魔法で入れ替えてしまったのです。
 地球上では最強部類の魔法少女であるみうちゃんならば、こういう事もできちゃうのです。
(ゆいちゃん! さあ早く!)
「み、みうちゃん何だか怖いよ!? いつものみうちゃんじゃない……何だかこれじゃあ逆に素直に食べる気がしないよー!」
「みう、おねえちゃんの為にそこまでしなくても……それに本当は、おねえちゃんが食べられるべきだったのに」
 みうちゃんになってしまったおねえちゃんは、みうちゃんに罪悪感を抱いたようです。
「ごめんなさいゆいが悪かったです!」
 キレたみうちゃん恐るべし……何と、あのゆいちゃんを謝らせてしまったのです。
「ねえゆいちゃん、何でゆいちゃんは急にみい子をチョコにしちゃったの?」
「ゆいね、チョコが食べたかったの」
「え、ただそれだけ?」
「それだけだよ?」
(おねえちゃん、ゆいちゃんはこういう子なんだよ……だからさっき逃げて、って……)
「あ、みうの声が聞こえる……そっか、今はみい子が魔法少女なんだね」
 そうなのです。みうちゃんになってしまったみい子ちゃんは今、まさに魔法少女なのです。
「わー、みい子が今魔法少女なんだー! みい子も魔法使えるのかな? えいっ!」
 みい子ちゃんは興味本位で魔法を使ってみました。
「え、ちょ!?」
 みい子ちゃんが不意に撃った魔法はゆいちゃんに直撃して……。
『ポンッ!』
「……あれ、ゆいちゃんが消えちゃった?」
 何とみい子ちゃんの撃った魔法で、ゆいちゃんは一瞬でチョコレートケーキになってしまったのです。
 魔法少女としては色々と滅茶苦茶なゆいちゃん。
 そんなゆいちゃんに対しては光ちゃんの暴走魔法くらいでしか、対抗する手段がありませんでした。

 それにも関わらず、みい子ちゃんの撃った魔法でゆいちゃんがチョコレートケーキになったのです。

(みい子ちゃん……え、もしかしてみい子ちゃんって実はみうちゃん以上に強かったりするの!?)
 みうちゃんの脳内に存在するもう1つの人格、未宇ことみうっち。
 そのみうっちですらも、この展開にはさすがに驚きを隠せなかったようです。
「え、えーと……みい子、魔法少女として強いの?」
(恐らく地球上で最強かも……あのゆいちゃんをいとも簡単にやっつけるだなんて)
「ほへー……」
 みい子ちゃんの使った魔法がよっぽど強かったのか、チョコレートケーキからはゆいちゃんの声すらも聞こえてきません。
(おねえちゃん……ゆいちゃんの意識ごと吹っ飛ばしたみたい。もしかしてみうとおねえちゃんが入れ替われば、ゆいちゃんを簡単に倒せたって事?)
 みうちゃんも予想外の展開に戸惑っています。
(あ、あれ、身体が……)
『ポンッ!』
「あ、みう元に戻れた! もしかしてゆいちゃんが倒されたから魔法が解けたの!?」
「えっと、そうなのかな? 良く分からないけど……」
 実はおねえちゃんの方が強かった、と衝撃の事実発覚により……ゆいちゃんへの対抗手段までもができてしまいました。
「ねえみう、みい子達の身体、元に戻せるの?」
「えーと、前ろっくんと入れ替わった事があったよね? みうっちの魔法補正で普通に戻せるけど」
 元々みうちゃんが地球上で最強の魔法少女なのは、中の人のみうっち補正なのです。
 しかしみうちゃんとの相性も良かったから、尚更魔法の効果が増大していたのです。
 でもそれ以上にみい子ちゃんには秘められた力があったようで……。
「えーと、元の身体に戻れるといいな♪ えいっ! これでいいのかな?」
 みい子ちゃんが呪文を唱えると……桜姉妹の身体は元通りになりました。
「おねえちゃんの身体になっている間……少し、胸が重い感じがした」
「み、みうったら! もう、一体何考えてたの!?」
 日頃から密かに胸の大きさを気にしているみうちゃん。
 ついつい自然とおねえちゃんの胸の方へ、意識が行ってしまっていたようですね。
「ところでこのチョコレートケーキ、どうしよっか……」
「うーん、このケーキってさっきの子なんだよね? あの子って悪い魔法少女さんなの?」
「本人は悪い事してるって自覚が無いみたいなんだけどね……でも、女の子を色々な物に変化させて間接的に殺してるの」
「そっか、ゆいちゃんってそういう子だったんだ。みうも色々酷い目にあったの?」
「う、うん。何度か殺された事もあった……」
「え、殺されたって!? 今生きてるよね!?」
「あはは……未来ちゃんの時間逆行でどうにか、ね」
「へぇー……そうだったんだ」
 おねえちゃんは満面の笑みを浮かべました。そしてその直後……。
『グシャッ!』
「お、おねえちゃん!?」
 何とあの温厚なみい子ちゃんが、ケーキになったゆいちゃんを足で思いっきり踏み潰したのです。
「な、何もそこまでしなくても……」
「かわいい妹に手を出す人は、誰だって許さないよ? 例えそれが小学生の女の子でも……ね?」
 おねえちゃんは何だか少し怖い笑みを浮かべました。
 そんな笑みにみうちゃんは少し圧倒されてしまって……気付いてしまったのです。
(真のラスボスはおねえちゃんなのかもしれない……おねえちゃんは絶対に怒らせない方がいい……)
 みうちゃんはそう誓ったのでした。

 そしてその後、桜姉妹は無事に手作りチョコレートをろっくんに届けましたとさ。

「くんくん……おいしそう。でもこのケーキ、何だか少し変だね?」
 街中で踏み潰されたケーキをくんくんしている、猫みたいな動物が居ました。
「普段ぼくはあんまん派だけど、このケーキも何だかおいしそう。食べてもいいのかな? これ」
「あ、ミャンコ! 地球に来てたんだ」
「え、未来ちゃん!」
 ミャンコと呼ばれた猫は、未来ちゃんの元へと寄り添いました。
「ミャンコー、元気にしてたー? 久しぶりだねー」
「未来ちゃん、会いたかったよ。急にエムピ星を出てってから全然帰って来ないんだもん」
「ごめんね、私の大事なペットなのに長い間お留守にしちゃって」
 このミャンコと言う猫みたいな生き物、何と未来ちゃんのペットだったそうなのです。
 どうも未来ちゃんと同じで時間に関する魔法が使えるようなのです。
「そういえば未来ちゃん、あそこに潰されたケーキがあるんだけど少し変なんだ」
「ケーキが変? どうしたの……ってこれ! ゆいちゃんじゃない!」
「ゆいちゃん?」
「今、地球で悪事を働いている恐ろしい魔法少女よ……気配ですぐ分かったわ」
「へ、へえ……そんな悪い子が居たんだ。でもケーキになって潰されてるって、一体」
「光ちゃんの暴走魔法以外でゆいちゃんを倒せる子なんて、見当も付かないけど……何でだろう」
「未来ちゃん、このケーキ食べてもいいかな?」
「ミャンコ、何が起こるか分からないから止めておいた方が……」
 未来ちゃんはミャンコを制止しました。
「そういえばミャンコって、私よりも過去の時間魔法に優れているのよね? 私は未来予知のような未来系が得意だけど」
「うん、そうだったよね」
「ねえミャンコ、このケーキだった子がどうやって魔法少女になったか知る事ってできる?」
「うん、勿論。ぼくの能力ならば容易い事さ」
「じゃあお願いしてもいいかな?」
「いいけど、でもその前に未来ちゃん。1つお願いが」
「うん、なーに?」
「あんまんちょうだい? できればセ○ンの」
「え、何でよ!?」
「何だか恒例になっているみたいだから、ね?;」
「良く分からないけど……分かったわよ」

 その後ミャンコの過去を知る力で……未来ちゃんはゆいちゃん出生の秘密を知ったのです。
「ゆいちゃんの正体って……これ、このまま放置しておくとマズいよね?」
「うん、そうだね。今の情報を見た限り、ゆいちゃんが倒されたらこの地球は滅びるかもしれないね」
「ゆいちゃんは倒してはいけない存在だ何て……そんな。こんなにも悪い事ばかりをしているのに」
「でもゆいちゃんが何でこういう悪い魔法少女になったのか、何となく分かる気がするかな」
「……そうね。ゆいちゃんの正体を知ってしまった以上、私も納得はできるかも」
 未来ちゃんはついにゆいちゃんの正体を掴んだようです。
「これは時間を戻してゆいちゃんを元に戻す必要があるわね……」
「でもこんな強力な魔法少女を時間逆行で復活させるともなると、相当魔力を使いそうだよ?」
「仕方ないよ。地球の為だもの……多分それ程の魔力を注ぐとなると、私とミャンコが再会した記憶も忘れちゃうと思う」
「そうかもね。でも同じ地球上に居るんだ。またきっと未来ちゃんとは再会できる気がする」
「私もそう信じてる。時間逆行で一旦無かった事になっちゃうけど、きっとまた会えるよね」
 未来ちゃんの言動から察するに……ゆいちゃんはこの世に取っての「必要悪」と言う事なのでしょうか?

 未来ちゃんは時間逆行の魔法を使って、ゆいちゃんを蘇らせました。


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  • 最終更新:2018-02-09 17:52:38

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