12.フォアグラ体験コース

 魔法少女ゆいちゃん 12.フォアグラ体験コース

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  • R-18G リョナ TF 他生物化



「鶏肉美味しいー!鳥さんに感謝しないとだねー☆」

お昼の時間、ゆいちゃんは外でお友達と美味しくお弁当を食べていました。
ゆいちゃんは唐揚げがお気に入りのようで、嬉しそうに頬張ります。

「唐揚げって美味しいけど、でもこれって鳥さんなんだよね?」
「うん、そうだよ?」

ゆいちゃんと一緒にお弁当を食べているのは、同じクラスメートのことちゃん。
鳥みたいな小動物が大好きで、そういう理由もあって鶏肉を食べる事に少し抵抗を持っているようです。

「鳥さんかわいそう。人間に殺されて食べられちゃうなんて」
「でもことちゃんのお弁当だって、チキンライスだよねー?鶏肉だよー?」
「うん、分かってるよ。とりさんの死を無駄にしないで、美味しく食べるよ」

ゆいちゃんのクラスは、以前家畜豚を育てる授業を行った事がありました。
それ以来クラスの皆は、食と命に対する認識が変わったようです。
動物の犠牲によって産み出される食べ物を、とても大事にするようになりました。

元々小動物が好きで、常日頃鳥肉に抵抗を持っていたことちゃん。
彼女は尚更食の命に対する考えが強くなりました。

「そういえばゆいちゃん、テレビでやってたニュース知ってる?」
「ニュース?どんなの!?」
「コンビニのフォアグラ弁当が発売中止になったんだって」
「フォアグラ弁当?って何?それ」
「フォアグラってね、鳥さんに無理やり食べ物を食べさせ続けて胃をパンパンに膨れ上がらせて……」

ことちゃんはゆいちゃんに、フォアグラについての説明をしました。

「わー、何だか凄いねそれ☆」
「ゆいちゃんは、かわいそうだって思わないの?」
「えー、だって鶏肉美味しいもーん」

たとえことちゃんがどんなに鳥さんをかわいそうと思っても、自然の摂理が覆る事は無いのです。
弱肉強食の世の中、多くの鳥達は人間に食べられてしまう運命なのです。

「かわいそう。もっともっと、フォアグラになる鳥さんの気持ちを分かってあげられたらいいのに」
「んー、ことちゃん今何て言ったー?」
「フォアグラになる鳥さんの気持ち、分かってあげられたらってね」

ことちゃんの言葉に反応して、ゆいちゃんの目がキラキラと輝き出しました。

「な、何?ゆいちゃん」
「その願い、ゆいが叶えてあげようか!?」

ゆいちゃんは「待ってました!」と言わんばかりの様子で、キラキラした眼差しでことちゃんに迫りました。

「えっと、何をそんなに期待しているのか分からないけど……ゆいちゃん、私の想いに賛同してくれるの?」
「賛同なのかどうか分からないけど、ことちゃんの手助けならできると思うんだー!」
「え、手助けって?」

ことちゃんはゆいちゃんに尋ねましたが……。

「んー、いちいち説明するのも面倒だから!立派なフォアグラになってね!」

ゆいちゃんがいつもの調子でステッキを向けると、状態変化魔法がことちゃんを直撃します。

「わっ!?何!?」

そして次の瞬間、もうことちゃんの声は聞こえませんでした。
ことちゃんはアヒルのタマゴになってしまったのです。

「おー、いい感じのタマゴになったね!ちゃんと中で生きてるかな!?」

ゆいちゃんはことちゃんだったタマゴをポケットにしまって、放課後まで保管しておきました。
そしてゆいちゃんは帰り道、大きなトラックを見つけます。

「あ、きっとこれだね!フォアグラ工場へ向かうトラック!」

ゆいちゃんはトラックの荷台目掛けて、タマゴを割れない程度の高さで投げました。
タマゴはポトッとトラックの荷台に落ちて、そのまま他のタマゴと紛れてしまいました。

「じゃあ元気なフォアグラになってね!」

ゆいちゃんはことちゃんを見送って、そのまま上機嫌で家へと帰りました。
一方ゆいちゃんが去った直後、トラックは走り出して工場へと向かって行きました。

工場へ着くと、タマゴが一斉にベルトコンベアへ乗せられてどんどんと流れて行きます。
そしてタマゴがどんどんと孵化し、アヒルの雛達が生まれ始めました。
その中に紛れて、タマゴになってしまったことちゃんもメスのアヒルとして孵化しました。

(うぅっ……ようやく出られたみたい。一体何が起こったって言うの?)

状況が全く呑み込めないことちゃん。

(何これ?私の周りに沢山の雛鳥が……)

ことちゃんは大量の雛鳥と共に、ベルトコンベアに乗って進んで行きます。
すると途中で、一部の雛鳥を捕まえては穴へ投げ入れている光景が目に付きました。

「コイツは流し、コイツは穴へ、コイツは流し」

作業員のような男性が、何やらぶつぶつ言いながら雛鳥の仕訳をしているようです。

「コイツも穴へポイッ」
(わわーっ!?)

作業員の所へ差し掛かると、ことちゃんも掴まれて穴の中へ投げ入れられてしまいました。

(この穴ってもしかして……)

ことちゃんはフォアグラ弁当発売中止のニュースを受けて、個人的にフォアグラの作り方を調べていました。
その際に知ったのですが、どうやらフォアグラは雄から作るそうなのです。
雌は生きたままミンチにされたり、ガスで殺されたりして廃棄されるそうなのです。

(私、雌鳥だよね……と言う事は。私、フォアグラにすらもなれないって言うの!?)

フォアグラになる鳥さんの気持ちを分かってあげたい、と言ったことちゃん。
ゆいちゃんが何をしたのか分からないなりにも、ことちゃんはどうにかこの状況が呑み込めました。
まさにフォアグラになる体験を、身を持って味わおうとしているのです。

なのに、ことちゃんは雌だからフォアグラにすらもなれないのです。

(あれ、先の方から何やら凄い音が聞こえる……)

ことちゃんは、何やら只ならぬ気配を感じていたのです。
鋭いような金属音がして、ギュイーンと物凄い音を立てているそれは……。

「ピッ!?ピピィー!!」

次の瞬間、ことちゃんの身体はあっと言う間にミンチになっていました。

数日後のお昼、ゆいちゃんは美味しそうにお弁当を食べていました。

「今日のお弁当はチキンボールのチーズソース!うーん、このチキンボールすっごく美味しい!」

鶏肉のミンチをボール状にして、チーズソースを掛けた食べ物です。
ゆいちゃんはこのチキンボールが物凄く気に入りました。

「うーん、ほっぺた落ちそう!鶏肉だしコラーゲンも入ってそうだよね!お肌スベスベになったりするのかな!?」

お肌スベスベと言えば、ゆいちゃんはことちゃんを思い浮べていました。

「そういえばことちゃんもきれいな肌の子だったよねー。今頃立派なフォアグラになれたかな!?」

ゆいちゃんはことちゃんの運命を知る由もありませんでした。
ことちゃん自身だって、まさかこうして今お友達に食べられてしまうだなんて。

もちろん、思ったりなんてしていませんでした。


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  • 最終更新:2018-02-09 17:39:52

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