第8話:私じゃない

 魔法少女 The Reboot 第8話:私じゃない

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「おねーちゃん、なんでおねーちゃんのおむねは大きいの?」
「へ!? み、みうったらとつぜんどうしたの!?」

 時渡学園初等部からの帰り道、みうちゃんはお姉ちゃんのみい子ちゃんにこんな事を言いました。

「だってー、みうのおむねぜーんぜん大きくないんだもん。うらやましいなーって」
「それはきっと、みうがまだみい子よりも小さいから……」
「うそ! ぜったいなにかあるよね!? おねーちゃんのまわりの子、小さい子ばかりだもん」

 みい子ちゃんは小学3年生でありながらも、クラスの中ではなかなかの巨乳です。
 みうちゃんはそんなお姉ちゃんの事を羨ましく思っていました。

「おむね、大きいと女の子としてみりょくてきなんでしょ? きっとおにーちゃんだってふりむくよね」
「み、みうったら何言ってるの!? ろっくんはかんけいないでしょー!?」

 みい子ちゃんは顔を赤くして返しました。
 ろっくんはみい子ちゃんと幼なじみの男の子です。
 いつもは良く3人で一緒に帰りますが、今日はクラスの係りでやる事がある為一緒に居ません。

 その為桜姉妹2人で下校していました。

「みうもおむね、大きくなればおにーちゃんに気にしてもらえるかな……」

 お姉ちゃんがろっくんの事を好きっぽい。
 みうちゃんは小さいながらにも、薄々と勘付いていました。
 しかしそんなみうちゃんも、実はろっくんの事が好きなのです。

「え、みうもまさかろっくんの事……」
「そ、そんなわけないよ!? たんにおにーちゃんとしてすきだなーってだけだよ!?」

 ろっくんはお姉ちゃんであるみい子ちゃんの幼なじみ。
 だからみうちゃんは悟られないように、普段はあくまで「お兄ちゃんのような感覚で好き」と偽っていたのです。

「そっかー。ろっくん、まるでお兄ちゃんみたいにみうにもやさしいものねー」
「う、うん! おにーちゃんのこと大すき」

 みうちゃんは顔を赤くするのを必死に抑えて応えました。

「それでおねーちゃん、けっきょくどうやっておむねを大きくしているの?」
「え、だから何もしてないよ!?」

 特に何もいていないと言い張るみい子ちゃん。
 みうちゃんは絶対にお姉ちゃんは何かしている、と勝手に思い込んでいるようで……みい子ちゃんを観察してみる事にしたようです。


 帰宅後、みうちゃんは早速お姉ちゃんを観察します。

「じーーーっ」
「みう、どうしたの?」
「なんでもなーい」

 みい子ちゃんはみうの事を少し気にしつつも、帰るなり洗面所へ向かって手洗いをしました。
 その後台所へ向かうと、冷蔵庫を開けて牛乳を取り出し……。

「おねーちゃん、ぎゅうにゅうのんでるの?」
「うん、牛にゅうを飲むと身体が大きくなるんだってー」

 牛乳を飲むと実際は骨が強くなるだけで、身体の成長とは特に関係が無いだとか。
 しかしまだ小学3年生のみい子ちゃんは、牛乳で身体が大きくなると信じて毎日日課にしているようです。

「もしかしてからだが大きくなるってことは、おむねも大きくなるの?」
「え!? べ、べつにそういうつもりで飲んでいるんじゃなくて……早くりっぱな女の子の身体になりたいなって」
「それってつまり、みりょくてきな女の子になりたいんでしょ?」

「うぐっ……」

 小さい頃から天然で何処か抜けているみい子ちゃん。
 妹に対して誤魔化すのもヘタで、図星を付かれてしまったようです。

「ふーん、ぎゅうにゅうねーなるほどー」
「あのねみう、牛にゅうを飲んでもぜったいに大きくなるかは分からないよ!?」
「まーいいやー、みうもいっぱいのむようにしよーっと」

 その日の夕ご飯の事、みうちゃんは早速牛乳を飲みます。

「ごちそうさまー! あ、ぎゅうにゅうものまないと!」
「みう、食べた後すぐ飲んでだいじょうぶなのー?」
「へーきへーき! だっておむね、大きくしたいんだもーん」

 みうちゃんはお姉ちゃんの言葉を振り切って、沢山牛乳を飲みました。

「これでおむね、大きくなるといいな」
「みう……」

 そんなみうちゃんの様子を見て、何だかみい子ちゃんは少しもやもやしているようでした。


「みうー、おふろ空いたよー」
「はーい、おねーちゃん」

 夜、みうちゃんは着替えを持ってお風呂へ向かいます。

「早くおふろすませてぎゅうにゅうのまないと!」
「みう、まだ飲むのー?」
「うん、もちろんだよ!」

 みうちゃんの胸を大きくしたい、と言う気持ちはとても強いようです。
 結局その晩、みうちゃんは寝る前にも沢山の牛乳を飲みました。


「やったー! こんなにおむねが大きくなったよー!」

 みうちゃんは胸が大きくなって大満足です。

「おねーちゃん! ほら見て! みうのおむねこんなに大きいよ! えっへん!」
「みう、どうしちゃったの!?」
「どうしちゃったのって、ぎゅうにゅうでおむねを大きくしたんだよ!?」
「ちがうの……みう、むねからたくさん牛にゅうがあふれてるよー!?」

「え……え、なにこれー!? と、とまらないよー!!」

 みうちゃんの胸からは、まるで噴水の如く沢山の母乳が流れ出ていました。


「やだー! とめてー!」

 みうちゃんの声が部屋に響き渡ります。
 気が付くと、みい子ちゃんはいつの間にか居なくなっていました。

「あれ、さっきの……ゆめ、だったの?」

 どうやらみうちゃん、夢を見ていたようです。

「ぎゅうにゅうをたくさんのんだからかな……あれ、なんだかつめたい?」

 みうちゃんは何だか嫌な予感を感じました。
 そしておそるおそる毛布をめくると……。

「や、やだ……みう、おもらししちゃってる……」

 恐らく牛乳を飲み過ぎたのでしょう。
 みうちゃんのパジャマは股間部分がぐっしょりで、布団もびっしょびしょです。

「みう、どうしたの!?」

 みい子ちゃんがみうちゃんの異変を聞きつけて、隣の部屋からやって来るようです。

「あ、おねーちゃんがきちゃう……! おもらししちゃったの、見られたくない……どうしようどーしよう!?」
「みう、入るよ!?」

 みい子ちゃんが部屋へ入ってくる直前……みうちゃんは何だか不思議な力を感じました。

(あれ……なんだろう、このかんかく。まえにもにたようなことがあったような……)

「みう、どうしたの!?」
「あ、みい子ちゃん。えっとね、さっきお部屋に置いてあったコップを零しちゃって」
「え、コップ? あ、みうのパジャマとふとんがびっしょびしょじゃない! 今お母さん、よんでくるね!?」
「あ、大丈夫だよ。私、自分でどうにかできるから。だからお母さんには言わないで?」
「え、でも……」

「大丈夫。ありがとう、みい子ちゃん」

 みい子ちゃんはみうの事を見て、何だかきょとんとしていました。
 でもしばらくすると……。

「う、うん、分かった。じゃあみう、かわかし終わったら学校行くじゅんびしよ」

 みい子ちゃんは一旦お部屋へ戻り、学校へ行く準備を始めたようです。

「……おねーちゃん、ほんとうにこれがコップの水だってしんじてくれたのかな? コップなんてどこにもないのに」

 みい子ちゃんが信じたかはともかく、みうちゃんはどうにかおもらしを誤魔化せて一安心しました。

(それにしても……やっぱりみうの中、だれかいる。いま、だれかがかってに出てきてみうのみがわりになってくれたよね?)

 先程お姉ちゃんの事を「みい子ちゃん」と呼んで、「私」と言っていたみうちゃん。
 これはみうちゃんが自分の意思で発した言葉ではありません。

 みうちゃんではない「誰か」が、みうちゃんの代わりに動いてくれていたのです。

(みうの中にいる子……いったいだれなんだろう? なんでみうの中にいるんだろう?)

 みうちゃんのおもらしを肩代わりして誤魔化してくれた謎の子。
 でもみうちゃんに取って悪い子ではない、と言う事は分かっているようです。

(まえ、こうえんへみちびいてくれたのもきっとこの子だ。でもいったいなんのために……)

 みうちゃんの中で、ますます疑問が深まるばかりでした。


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  • 最終更新:2018-02-09 15:28:36

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