第5話:魔法少女

 幼なじみの妹なう 第5話:魔法少女

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  • TSF 入れ替わり 精神同居



「はぁ……はぁ……失礼しまーす」

 僕は慌てて保健室へとやって来ました。
 すると保健の先生は居なくて……ベッドにはみーちゃんであるみうちゃんが寝かされていました。

(保健の先生居ないのね? また他のお仕事か何かで席を外しているのかしら?)
「どうだろうね、でもみうちゃんは無事みたいで……良かった」

 みうちゃんは静かに寝息を立てて眠っていました。

(ね? 私の勘……当たったでしょ?)
「うん、さすが魔法少女さんだね……でも、みうちゃん大丈夫そうで良かったよ」

 エムピ星人の魔法少女って凄いんだね……。
 地球とは違って未来のような星と聞いたし、きっと人間以上に凄い能力もあるのかな。

「ところでみうちゃん、何で倒れちゃったんだろう?」
(恐らくみーちゃんの身体が生理だろうから……体育で融通が分からず、無理しちゃったんじゃないのかな?)

 未宇ちゃんがそう言うならば、何だかそれは当たってそうな気がします。

「なるほど、そうかもしれないね……僕には分からないけど、女の子って本当に大変なんだね」
(あら、ろっくんもしばらくこのままだったら、そのうち分かるかもしれないよ?)

「知っておきたいような知りたくないような……」

 男の子としては本来知る事などできない生理の感覚。
 それはとても未知なものだから知りたいような気もするけれど……だけれど痛いようだし大変そうだし、そう考えてしまうとやっぱり知らない方が良いような。

 何だか僕は複雑な心境でした。


 しばらく僕はみうちゃんが心配で付き添っていました。
 5限目は未来ちゃんと一緒に教室を出て、具合が悪くて保健室に行った事になってるから……大丈夫だよね?

『キーンコーンカーンコーン』

 6限目開始のチャイムが鳴りました。いつの間にか結構時間が経ってしまっていたようです。

(外……雨、凄いみたいね)
「うん。みうちゃん楽しみにしてたのに、きっと体育中止だったみたいね」

 ベッドで横になっているみーちゃんの身体は上半身が体育着のようです。
 きっと雨だから、さっきまで体育館で何かをやっていたのかな。
 毛布が掛けられていて下は見えないけれど……きっと下半身の格好はブルマのままなのだろうか。

(ねえろっくん、何かやらしい事考えてない?)
「えっ、そ、そんな事は無いよ!?」

 僕は図星をつかれて焦ってしまいました。
 未宇ちゃんは同じ身体の中に居る上に魔法少女だし、何となく分かってしまうのだろうか……。

 そんな感じで未宇ちゃんと静かに数分程お話をしていると。

『ガラーッ』
「すみません失礼します! みーちゃん大丈夫!?」

 突然僕が保健室へとやって来ました。
 僕と言っても中身はみーちゃんなのですが。

「おにいちゃん? おねえちゃん今眠ってるから……」
「あ、ごめん。ついついみーちゃんが授業中倒れたから心配だったもので……」

 みーちゃんは自分の身体の中身が僕だと思っているんだよね……。
 もしかして僕を心配して、保健室へ駆け付けてくれたのかな?

「ところで授業中なのに、おにいちゃんはなんで保健室に?」
「えっとね、雨で午後のプールが中止になっちゃったから。本来2限分の予定だったけど、6限目が自習になっちゃってね」

「なるほど、自習だったから抜け出す事ができたんだね」
「みうちゃんも授業中な筈だけど……」
「みうはちょっとね……みーちゃんが倒れたって連絡を聞いてね」

 未宇ちゃんが教えてくれたんだから、間違ってはいないよね?

「そうだったんだ。それで先生が行ってあげなさいって言ったのかな?」
う「う、うんまあそんな感じかな……おねえちゃん、倒れたのが2日連続で心配だったから」

 授業を抜け出して来た、と言ってしまうとみーちゃんに心配を掛けてしまうかもしれない。
 何しろ実際の中身は僕でも、みーちゃんからすれば僕の事を妹のみうちゃんだと思ってる。
 だからみーちゃんに妹の心配を掛ける訳にはいかないもの。

 実際の妹は今ここで眠っているけれど、でもぐっすり寝息も立ててるしきっと大丈夫かな。

「んっ………」

 みうちゃんが少し動き出しました。どうやら意識が戻ったようです。

「……あれっ? みう一体どうしたんだっけ」

「みーちゃん意識が戻ったんだね? 無事で良かったよ」
「みうはおねえちゃんが心配で保健室へ駆け付けて来たんだよ」

(みうちゃん……意識がぼーっとしてるようで、今素が出ちゃってたみたいね。ナイスフォローよろっくん)

 みうちゃんが今はみーちゃんなのに、自分の事をみうと言っていたので。
 僕がみーちゃんに名前を呼ばれた、と言う事にするようなお返事をしてみました。

「おねえちゃん、おねえちゃん!」
「おねえちゃん……? あ、そっか……」

 どうやらみうちゃんは自分が今みーちゃんである、と自覚をしたようです。

「みい子、体育の授業で倒れちゃったんだっけ……生理なのに無理し過ぎちゃったかな」
「今思えば見学させれば良かったね。何だかお腹抑えてたけれど元気そうだったから……」

 きっとみーちゃんは中身がみうちゃんではなく僕だと思ってるから、生理の事で体育を見学させようとしていたのかもしれない。
 実際の中身のみうちゃんは女の子だから生理の事は分かってるつもりで、体育が好きなようだから身体の違いの融通が分からず無理して授業へ出たみたいで。

 その結果みうちゃんの時とは生理の重さが違って、身体に負担を掛けて倒れてしまったのかな。

「でもみーちゃんが無事で良かったよ」

 とりあえずみうちゃんが倒れてしまった件はこれにて一安心かな。

「みうちゃん、後は僕がみーちゃんの側に付いているから。みうちゃんは授業に戻っても大丈夫だよ」
「えーと、じゃあ後はおにいちゃんにお願いしちゃってもいいかな?」
「うん、保健の先生が戻るまで僕が診てるから。任せて」

 後はみーちゃんがみうちゃんに付いてくれる事になりました。

「じゃあおにいちゃん、みーちゃんを宜しくね」

 僕は保健室を後にして、6年3組の教室へと戻って行きました。


 教室へ戻るとどちにしろ授業はもう終わる時間で、そのまま帰りの会となりました。

「みうちゃん、どうだった?」

 帰りの会も終え、未来ちゃんが僕の元へとやって来ました。

「うん、みうちゃんやっぱり授業中倒れたみたいだったよ」
「そうだったんだ……大丈夫そうだったの?」
「うん、ぐっすり眠ったからもう平気みたいだよ」

「そう、なら良かったわ」

 未来ちゃんもみうちゃんの事を心配してくれていたようです。

「みうちゃん、はいこれ」
「えっと……これは?」

 僕は未来ちゃんから、何か女の子っぽい道具を渡されました。

「例のコンパクトよ。私から渡せる技術をこの中に詰め込んだから……とりあえず人気の居ない中庭へ行ってみましょ」
「あ、もう準備できてたんだね。うん、じゃあ行こうか」

 僕と未来ちゃんは放課後、人気の無い中庭へと向かいました。
 外へ出るとまだ完全に晴れていないけれど、先程の土砂降りだった雨は止んだようです。

「うん、ここなら誰も居ないし大丈夫ね。じゃあみうちゃん、コンパクトを開けてみて?」
「うん、分かったよ」

 未来ちゃんに言われて渡されたコンパクトを開けてみると……。

「な、何これ……これが魔力なの?」

 何だかコンパクトの中から不思議なオーラが溢れ出して……みうちゃんの身体を包み込みます。
 そのまま不思議なオーラは、みうちゃんの身体へ吸収されて行きました。

「はいかんりょーっと。これでみうちゃんも魔法少女になったんだよ♪」

 コンパクトの真ん中には「ケイヤクカンリョウ」と文字が表示されています。

「これで魔法少女に……じゃあ早速入れ替わりを元に戻せるかな?」
「ごめん、それは無理なのよ」

「……えっ? 魔法少女になったのに何で? もしかして魔法少女にしておいて、実は裏では何か別の事情が……と言う契約詐欺ってやつ!?」
「ち、違うよ! まるで私がきゅっぷいみたいな言われ様だね……」

「きゅっぷい? 何処かで聞いたような……」
「ま、まあそれは気にしないで」
「じゃあみうちゃんが魔法少女になったのに、戻せないってどういう事なの?」

「うん、早い話がまだみうちゃんの身体では魔法少女に成り立てで力不足なのよ」
「魔力を使うMPとやらが足りないって事?」
「そういう事ね。だからある程度魔法少女として人助けなどの活動をして、魔力をある程度高める必要があるの」

「そうなんだ……結構時間掛かるのかな?」
「どうだろうね、みうちゃん達の頑張り次第かな?」

 これから魔法少女として、ある程度活躍しないとなんだね……。

(魔法少女になったからって、そう上手くは行かないのね……)
「未宇ちゃん……そうみたいだね」
(でもこれでみうちゃんの身体は保護されたから、その点については一安心かな)

「本当はみうっちの抜け落ちた記憶が戻ってくれればね……入れ替わりくらいすぐ元に戻せるのだろうけれど」
みう「えっ、そうなの? どういう事?」

「みうっちは元々エムピ星人だから、何もしていなくても人間より魔力が高いわ。だけど今は記憶の抜け落ちで色々不安定だろうから……」

「なるほど、未宇ちゃんの状態が普通で安定していれば、入れ替わりくらいどうにかなったのかもしれないんだね」
(ろっくん……私のせいなのかな、ごめんなさい)

「未宇ちゃんは何も悪くないでしょ? 大丈夫だよ、謝らなくても」

 未宇ちゃんは申し訳無さそうに謝って来たけれど……うん、でも未宇ちゃんのせいなんかじゃない。

「みうっちもいつ記憶が完全に戻るか分からないから……地道に活動して魔力を高めた方が確実かな」
「うん、分かった。僕がみうちゃんの代わりとして……頑張ってみるよ」

「うん、きっとみうっちと一緒ならどうにかなるよ」

 こうして僕はみうちゃんとして魔法少女となり、更に魔力を高める為にみうちゃんとして魔法少女の活動をする事になりました。


 その後は未来ちゃんと別れ、僕は学園から帰る準備をしていました。
 未来ちゃんと居てある程度遅くなっちゃったし、さすがに今日はもうみうちゃん達帰っちゃったかな?

「あれ、みう。まだ残ってたんだ?」
「みうちゃん」

 そう思っていた矢先、学園の入り口付近でみうちゃんとみーちゃんが声を掛けて来ました。

「おねえちゃん達まだ居たんだ?」
「うん、放課後も保健室で少し休んでたから今帰りで」

「そうだったんだ」

 今日は先に帰られちゃったかな、と思ったけれど……いつも通りの3人で下校となりました。

「みうちゃん、その手に持っている物は何? 何だかかわいいけど」
「あ、これはね。魔法の……」

(ろっくん、みーちゃんに魔法少女の事、話しちゃっても大丈夫なのかな?)

「えっ、魔法の……?」
「あ、何でも無いのよ! 只のコンパクトだよ!」

 そういえば……どうなんだろう。
 僕は未宇ちゃんに言われて、みーちゃんに言い掛けていたところを止めてしまいました。

 一応魔法少女の事をばらしちゃダメとか、他人へ口外禁止と言われている訳では無いけれど……。

(みうちゃんに確認を取って魔法少女になったから、これってみうちゃんの秘密って事になるのかなって。みうちゃんに確認しないでばらしちゃうのは……)

 確かに未宇ちゃんの言う通りなのかもしれない。
 いくら僕の中身がみーちゃんで本当は姉妹と言えども、みうちゃんに確認もしないで僕が勝手にばらしてしまって良いものなのか。
 しかもみうちゃんは、僕の中身を普通に僕であると思っている訳で。

 みうちゃんからすれば勝手に僕にばらしてしまった、と思われるのかもしれない。

「へー、そうなんだ。いつの間にか買ったんだね」
「う、うんー。かわいかったからお店で見掛けてついついね?」

 そういう訳で誤魔化してはみたものの……。

「ろっくんがかわいい物に反応するなんて、もしかして意外とファンシー好きなの?」
「あ、えっと……何となく手に持ってたから気になっただけなんだよ?」

 みーちゃんはそう言ってるけれど、多分本当は女の子として気になったのかな。

 中身の事情を知らないみうちゃんは、もしかしたら勝手に僕に対してファンシー好き疑惑を抱いてしまったかもしれない……。
 まあ本当は中身がみーちゃんならば仕方無いものね。

「あ、じゃあ2人共ばいばい。また明日」
「あ、もうここまで来ちゃったんだ。うん、ばいばい」
「ろっくんまた明日ー」

 僕達3人はいつもの分かれ道でみーちゃんと別れました。
 残念だけどみーちゃんは僕の姿なので、ここでお別れして僕の家へ帰ってもらいます。

 分かれ道からみうちゃんちはそこまで遠くはないけれど、みーちゃんと別れた直後みうちゃんは家に着くまで待てなかったのか、僕にわくわくしながら問い掛けて来ました。

「ねえねえおねえちゃん! そのコンパクトってもしかして!?」
「うん、みうちゃんには言っておかないとだよね。未来ちゃんにこれをもらって、さっき魔法少女になったんだよ」

「わー本当にみうが魔法少女ー!?」

「み、みうちゃん声大きい……周りの人に聞かれちゃうとややこしそうだから」
「あ、そうだよね……ごめんなさいおねえちゃん」

「お部屋で色々お話しようよ」

 帰り道でのみうちゃんはとてもわくわく気分でした。


 帰宅後早速、みうちゃんが僕の居るみうちゃんの部屋へやって来ました。

「ねえねえ魔法少女の事だけど!」
「うんうん、分かってるよ。今お話するからね」

 みうちゃんは魔法少女になれたと聞いてとてもわくわくです。

「そのコンパクトはどう使うの!?」
「うん、開くと色々ボタンが付いてて、それでステッキを出したり自分の魔力を調べたりできるみたいなんだ」

「へー、凄いんだね! いかにも魔法少女だ!」
「後魔法少女を必要としている人が居ると、このコンパクトがそういう信号をキャッチして知らせてくれるんだ」

「へぇーすごい!」
「基本的にはそういう信号をキャッチして、魔法で人助けをするみたいだよ。勿論信号をキャッチしなくても自主的に活動してもいいみたいだけど」

「そうなんだー! あ、でも……」

 みうちゃんは何だか急に俯いてしまいました。

「結局みうの身体が魔法少女になったからって、今魔法少女できるのはおねえちゃんなんだよね……」

 みうちゃん、まるで自分自身が魔法少女になったかのような喜び様でした。
 うん、確かに魔法少女になったのはみうちゃんなんだけれど……中身が当の本人ではなく。
 みうちゃんはおねえちゃんと思い込んでいるけど、実際は僕がやる事になるんだよね……。

「うん……でも大丈夫だよ。いずれ魔法で入れ替わりも元に戻せるから」
「おねえちゃん、入れ替わりって今すぐは元に戻せないの?」

「MPのお話は聞いたよね? まだ魔法少女成り立てで魔力が足りないから、ある程度活動をして魔力を高めないとダメみたいなんだ」
「そうなんだ……じゃあそれまでの辛抱なんだね」

 みうちゃんは少し残念そうだったけど……首を横に振って、すぐにまた顔を上げました。

「うん、せっかくおねえちゃんが頑張ってくれるんだもん。みうがこんなんじゃダメだよね? 頑張ってねおねえちゃん!」
「うん、ありがとうみう。必ず元に戻せるように、この身体の間は頑張るよ」

「そういえばもう1人の未宇の件はどうなったの?」
「あ、それならば今みうちゃんに代わるよ」

 さっき中庭で未来ちゃんからは他にも色々と聞いていました。
 その事を未宇ちゃんから直接みうちゃんへ話させます。

「こんにちはみうちゃん。魔法少女になった事でみうちゃんの身体は保護されたわ」
「本当? じゃあこれでみうもあなたも安全なんだね。消えちゃわなくて済むんだね」
「私が消えちゃう……!? みうちゃん、その事知ってたの!?」

「うん、あなたがみうの身体で色々調べてた事があったの……見てたから」
「みうちゃん……そうだったんだ」

 未宇ちゃんが消えちゃったのかもしれない……?
 どういう事だろう、僕には話が良く分からないけれど……。
 もしかしたら未来ちゃんが見た未来予知のように、起こり得たかもしれない結末のうちの1つなのだろうか。

「でもこれで安心したよ。みうの身体もあなたも保護されて」
「もうみうちゃんは魔法少女になったから、私が前に出て来ても負担が掛かる事は無いわ。今後は私も色々と手助けできるかも」

「うん、おねえちゃんを宜しくね」
「うん、任せて。じゃあ私は一旦後ろに戻るからね」

 みうちゃんにも最低限の事をお話しておいて、僕は今日から本格的に魔法少女として活動する事になりました。

「あれっ、おねえちゃん。コンパクトから光が点滅してるみたいよ?」
「えっ、もしかして早速信号をキャッチしたのかな……? ちょっと確認してみるね」

 コンパクトを開けて確認してみると、この周辺の地図みたいな物が画面に映されていて小さい赤丸が点滅しています。
 えーとこれはここへ行けと言う事なのだろうか……?

(よーし、じゃあステッキで飛んで行っちゃった方が手っ取り早いかな?)
「えっ、いきなり空を飛んで行く事なんてできるの?」
(うん、ステッキのボタンを押してまずはステッキを出してみて)

「うん、分かった」
「おねえちゃん、もう1人の未宇が何か言ってるの?」
「うん、ステッキでの飛び方を教えてもらっていてね」

 僕はコンパクトから出て来た小さなステッキを手に持ち、みうちゃんに応えました。

(ろっくん、魔力を少し使えば私の声をみうちゃんにも届ける事ができるけど)
「えっ、そうなんだ? じゃあやってみる?」
(うん。じゃあ呪文を唱えてもらっていいかな?)

(えーと、呪文はね……)
「みうちゃんにも未宇ちゃんの声が届くといいな♪ えいっ!」

 みうちゃんにステッキを向けて呪文を唱えました。

「わっ、おねえちゃん今の何? 魔法使ったの!?」

 みうちゃんは目を輝かせて聞いてきます。

(みうちゃん、私の声聞こえる?)
「わわっ、もう1人の未宇の声が表に出ていないのに頭の中に聞こえる!? 今はみうの身体じゃないのに」
(ふふっ、ちょっと魔法を使って少しの間、みうちゃんにも声が届くようにしてみたのよ)

「わー凄い凄い!」

(これでみうちゃんにも聞こえるだろうから、みうちゃんも一緒に覚えておいてね?)
「うん、分かった!」

(今出したステッキはね、魔法少女へ変身する時にも使うのよ。簡単な魔法だったら変身しなくても使えるけど、基礎的な魔法以外は変身しないと魔力が安定しないから使えないのよ)

「ふむふむ、なるほど」
「へぇー、そうなんだー」

(ただ変身していても基礎的な物以外の魔法を使う場合は、ある程度のMPと集中力が無いと魔法が成功しないで暴走しちゃう事もあるんだ)

「えっ……そうなんだ」
「何だかそれ、怖いね……」
「具体的に魔法が失敗して暴走するとどうなっちゃうの?」

(さあ……私は元がエムピ星の魔法少女だったからそういう体質だったみたいで、地球人の魔法少女とは違って魔法を失敗した事が無いから)

「そうなんだ……」
「じゃあ未宇にも分からないんだね」

(うん……ただこの星の人達から取っては魔法って非科学的で未知な存在だろうから、魔法の暴走を受けてしまうと何かしらの副作用的な物はあるかもしれないわね)

「副作用……?」
「何だろう……」

(例えば私の推測だけれど……暴走魔法を受けちゃうと、ランダムで人間に取ってあまり良くない魔法効果が出るとか)

「何が起こるか分からないのね……」
「それは怖そうだね……」

(でも大丈夫よ。ちゃんと自分の魔力を把握して、技量以上の魔法を使おうとさえしなければね。その辺りは私が魔法少女だから制御できるわ)

「ほっ……良かった。じゃあ安心なんだね」
「未宇が魔法少女で良かったよ」

(でもね、集中力は大事だからね。魔法の動力源は使い手の想いの強さなんだよ)

「うん、分かった。しっかりと心得ておくよ」
「みうも身体が戻った時頑張れるように……覚えておくね」

(じゃあお話を戻してステッキの使い方だけど……ステッキに跨ってみて?)
「えっ、こんな小さいステッキに……?」

 僕は未宇ちゃんに言われて……小さいステッキに跨ってみました。
 いや、跨ったと言うよりも、股の下にステッキを持って来たと言う方が正しいかな?

「わわっ! ステッキが大きくなったね!?」
(うん、跨ろうとするとステッキが大きくなるのよ。後はこれに跨って飛ぶイメージをすれば、その通りに飛べるわ)

「うん、分かった。やってみる」
(あ、ちょっと待って。慣れれば変身無しでも飛べるけど、みうちゃんの身体はまだ魔法少女に成り立てだから……一応魔力安定の為に先に変身しておこう)

「わーっおねえちゃんの変身だー」

 相変わらずみうちゃんの目は輝いたままです。

(えーと変身の呪文はね、魔法少女になれたらいいな♪ だよー)
「うん、分かった。魔法少女になれたらいいな♪」

『ピカーッ!』
「うわっ、おねえちゃん眩しい!」

 呪文を唱えると激しい光が僕の身体を包み込みました。

「魔法少女、リリカルみうりん参上よ♪」
「わーーーっおねえちゃんかーわいいっ!」

「ね、ねえ未宇ちゃん……今勝手に言葉が出て来たけど、変身の度に毎回今のセリフ言うの?」
(うん、魔法少女のお約束なんだよー♪)

 確かに僕のイメージする魔法少女はそんな感じなのかもしれない。
 だけれど中身の事情的に……僕が毎回それを言うのは何だか恥ずかしいような。

「へぇー、これが魔法少女の衣装なんだねー」

 姿見で確認して見ると、頭には2本のピンクリボンが着いていて星型のピン止めも。
 服装は一言で言うならば、学園でありそうな女子制服をフリルで装飾したようなイメージだ。

「あれーこの姿ってもしかして……」
(うん、普段みうちゃんが頭の中で描いていた魔法少女のイメージよ。みうちゃんの魔法少女へ対する想いが強かったから、それがそのまま反映されたようね)

「わーっそうなんだー! みう嬉しいなー」
「あれ、スカートの中は何か穿いてるみたいだけど……何だろうこれ。何だか身体中を覆っているような」

(それは魔法で特殊加工を施したスク水よ)

「えっ……この衣装の中身ってスク水なの?」
「魔法少女なのにスク水……?」

(あははっ、もしかしたらみうちゃんのプール好きが反映されたのかもね……)
「えーっ、そうなのー!?」

「あははははー……」

(でもね、特殊加工されているから色々な危険から守ってもらえるわよ)
「そうなんだ、凄いね」

(よーし、じゃあそろそろ信号の発信元へ行ってみよう)
「うん、分かった」

「窓から出るのかな? みう、今窓開けるからね」

 みうちゃんが家の正面側の窓を開けました。

(じゃあ飛んでいる姿を頭の中に描いてみて?)
「うん、やってみるよ」

 僕は窓の前でステッキに跨り、言われた通りに空を飛ぶイメージを描いてみました。
 すると徐々にステッキが僕の身体を乗せて空中へと浮き出し……。

「わっ! 飛んだよー!」

 窓から外へと飛び出しました。

「おねえちゃーん行ってらっしゃーい!」

 いよいよみうちゃんとして魔法少女となり、最初の活動が始まりました。
 果たしてこれからどのような展開が待ち受けているのでしょうか……?


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  • 最終更新:2018-02-10 10:47:07

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