第2話:噛み合わない2人

 魔法少女 The Reboot 第2話:噛み合わない2人

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「ルナちゃん、おはよ」
「おはよ、未来ちゃん」
「あれ、今日もみうっちはお休みなの?」

「う、うん。まあね」

 みうっちが時空の乱れの犠牲となってから早1週間。
 ルナちゃんはみうっちの事を知らされておらず、急に消えたみうっちの事をずっと疑問に思ってました。

「みうっち、調子でも悪いのかな?」
「うん、多分……ね?」
「そうなんだ。もうお休みしてから1週間だし、学校が終わったらみうっちの所に行ってあげようかな?」

「ルナちゃん、それは止めておいた方がいいと思う」
「え、何でなの?」

「…………な、何となくね? みうっち、具合悪いとわたしたちに気をつかうかなって」
「うーん、そっかー」

 ルナちゃんは未来ちゃんの言う事を信じて、みうっちの復帰を待ち望みました。


 しかしそれから更に1週間経っても……みうっちは学校に姿を現しません。

「ねえ未来ちゃん。わたし、さすがにみうっちが心配だよ」
「だいじょうぶだと思うよ?」
「でもさすがにもう2週間もたつよ? みうっち、何かあったんじゃ」

「ルナちゃん、だいじょうぶだから。ね?」
「未来ちゃんは何をこんきょにそう言えるの?」
「えっと……おさななじみだから、かな」

「おさななじみだからかぁ……いいな」

「うん? ルナちゃん、何か言った?」
「ううん、何でもないよ」

 ルナちゃんは何だか少し腑に落ちないようでした。


「リリ、ただいまー」
「ルナ、おかえりだにゃん」

 ルナちゃんが家へ帰ると、猫型精霊のリリが迎えてくれました。
 ルナちゃんはリリと一緒に暮らしているのです。

「お兄ちゃんはまだ学校かな?」
「そうだにゃん。超能力の期末試験が控えてるから大変みたいだにゃん」

 ルナちゃんには中学2年生のお兄さんが居て、そのお兄さんは超能力者見習いです。
 このエムピ星では男性は超能力者、女性は魔法少女になるのです。

「お兄ちゃんがんばってるんだー。早くお兄ちゃんに会いたいけど、しけんならば仕方ないよね」
「ルナは相変わらずソラにぞっこんだにゃん」

「い、いいでしょ!? だって……好きなんだから」

 ルナちゃんはどうやら、お兄さんであるソラさんが大好きなようです。

「そういうリリはどうなのよ? ミャンコちゃんの事、すきなんじゃないのー?」
「うん、好きだにゃん」
「あら、はっきり言うのね?」
「ただラブではなくライクかもしれないにゃん。小さい頃から一緒に居れば、自然と好きにもなるものだにゃん」
「ラブではなくライク、かー……わたしがお兄ちゃんに対してラブならば、みうっちに対してはライクなのかな」

「そういえばルナ、みうっちの事……本当に残念だったにゃん」
「え、ざんねんだったって何が?」
「あれ、ルナは知らないにゃん? 先日起こった時空の乱れの大量発生で、みうっちが犠牲になってしまったお話……」

「……え? みうっちがぎせいに? 何、それ?」

「ゴッドアカリンが宇宙の平和を守ったにゃん? だけど彼女も消息不明で、そしてみうっちは時空の乱れに吸い込まれて……」
「え、それってどういう事……うそ、でしょ? わたし、そんな話一切聞いてない」
「私がルナに嘘を付く理由なんてあるかにゃん?」

 ルナはリリの言葉を信じたようで……何だか居ても立っても居られない様子です。

「わたし、ちょっとかくにんしてくる!」
「あ、ルナ! ……行っちゃったにゃん」

 ルナちゃんは一目散に家を飛び出して行きました。


「おや、ルナちゃん。そんなに急いでどうしたんだい?」
「あ、ミャンコちゃん! ねえ、ちょっと聞きたい事があるんだけど」

 ルナちゃんは街中でミャンコに出会いました。

「うん、何だい?」
「みうっちが死んだって……ほんとなの?」

「みうっちって未来ちゃんと仲良くしてた女の子? その子なら時空の乱れに吸い込まれたよ。きっとあの規模の物に吸い込まれたとなると、肉体もろとも消滅してるだろうね」

「うそ……みうっちが死んだって、ほんとだったの!?」
「ほんとさ。でも1人の女の子が死んだだけじゃないか。これから魔法少女になれる代わりの子なんて沢山居るもの。全宇宙から見れば些細な事だよ」

「1人の女の子が死んだだけ……? ねえ、ミャンコちゃんはどうしてそんな事が言えるの?」
「さあどうしてだろう? 何でそんな事を聞かれるのか、僕自身も訳が分からないよ」

「ミャンコちゃんってやっぱりかんじょうがない生き物なのかな……でもみうっちが死んだのが本当ならば、何で……」

 ルナちゃんはそう言うと、再び街中を走って行きました。

「あ、ルナちゃん行っちゃったよ。リリちゃんに会いに行っても大丈夫か聞きたかったのにな」


 ルナちゃんは街中を走り抜け、未来ちゃんの家へと行きました。

「未来ちゃん! 未来ちゃん!! いる!?」
「ん、ルナちゃん? そんなにあわててどうしたの?」
「ねえ、みうっちが死んだって本当なの!?」

「え……な、何で?」

「リリもミャンコちゃんも言ってた……みうっちは、時空のみだれに飲みこまれたって。きっと生きてないだろうって」

「え、えっと……それ、何のじょうだんかな?」

 未来ちゃんはまるで知らないと言わんばかりの噛み合わない返しをします。

「未来ちゃん、うそついてる。何でかくすの? 何でわたしに教えてくれなかったの!?」
「えーと、何かのかんちがいじゃないかな?」
「だってリリはわたしにぜったいうそなんてつかないもの。それに未来ちゃんの様子、何だかよそよそしいもの……」

「えっと、それは……」

「未来ちゃんはおさななじみをうしなって……何でふつうでいられるの? 何で平気でいられるの!?」

 ルナちゃんは真剣な表情で未来ちゃんに問い掛けました。

「学校でもふつうだった。まるでみうっちは死んでなかったかのような感じで、とくに何も感じなかった……何で未来ちゃんは平気なの!?」

「…………ちがうのよ、ルナちゃん。わたしだって……わたしだって! 本当はつらいのよ!」

 未来ちゃんは急に涙目になり掛けて、ルナちゃんへ訴えました。

「あの時、みうっちをすくえたかもしれないのはわたしだけだった……でも、でも! わたしがむりょくだったからみうっちは死んでしまった……わたしがころしたもどうぜんなのよ!」

「未来ちゃんがみうっちをころした!? どういう事なの!?」
「たくさんの時空のみだれにかこまれて、わたしがしっかりとみうっちの手をにぎりしめていなかったから……みうっちとつないでた手をはなしちゃって、みうっちはそのまま時空のみだれに……」

「……バカ! 未来ちゃんのバカ!!」
「わたしだって助けたかったのよ! みうっちをすくいたかったのよ! なのにバカだなんて……」

「ちがうのよ! 何でわたしにだまってたのよ! 大事なおともだちが死んでいたと言うのに……何でわたしには教えてくれなかったの!?」
「だって! 目の前でみうっちをうしなって……わたし、もう今にもくずれ落ちそうなくらいつらかった。心がはち切れそうなくらいつらかった。そんなつらさを……ルナちゃんにも味わってほしくなんかないもの!」

 どうやら未来ちゃんは、ルナちゃんに同じ思いをさせたくなくて平静を装っていたようです。

「バカ! だまっていられる方がつらいわよ! 大事なおともだちが死んだのよ!? それをだまってるだなんて……!」
「だから言ってるでしょ!? ルナちゃんにつらい思いをさせたくなかったから、ルナちゃんのためを思って……!」
「よけいなお世話よ! 教えてもらえないわたしの気持ち、未来ちゃんに分かる!? 分からないよね!?」

 ルナちゃんは自分だけ知らなかった事実を知って、相当気持ちが高揚しているようです。

「第一未来ちゃんって日ごろからきらいだったのよ! ちょっと頭いいからって」
「なっ……頭いいからきらいって何それ!?」
「それにわたしはみうっちと遊びたかったのに、おさななじみだからっていつも未来ちゃんは横にいて! 正直じゃまだったのよ! みうっちの手前仕方なくいっしょに遊んだけどね!?」

「ルナちゃん、わたしの事そんな風に思ってたの……!? ルナちゃんをおともだちだと思ってたのは、わたしの勝手な気持ちだったの!?」
「そうよ! わたし、ほんっとは未来ちゃんなんて大っきらいなんだからー!」

「……ルナちゃんこそバカ! もういいわ! 出て行って!」


 ルナちゃんの感情が高ぶってしまい、思わずぶつけてしまった未来ちゃんへの本音。
 そうなのです、実はルナちゃんは未来ちゃんに嫉妬していたのです。

 みうっちと一緒に居たいのに、幼なじみでいつも横に居る未来ちゃん。
 ルナちゃんはそんな彼女の事を羨ましく思ってました。
 更に未来ちゃんは頭脳明晰で成績優秀、一方ルナちゃんはお世辞にも成績が良いとは言えません。

 この星において落ち零れと言う事は、魔法少女としての素質や能力が乏しい事を意味します。
 日頃から自分との差を思い知らされていて、そんな未来ちゃんにずっと嫉妬していました。

「はぁ……未来ちゃんにはしっとしてたけど、でもけんかなんてするつもりなかったのに。……ううん、あんな大事な事をだまってた未来ちゃんが悪いのよ! わたしは悪くないもの!」

 ルナちゃんはとぼとぼと街中を歩いていました。

「それにしてもみうっちが死んだなんて……みうっちが、死んだ? ほんとなの……? ねえ、うそだよね? うそであってよ……みうっち、みうっち……」

 いつの間にかルナちゃんの目からは大粒の涙が零れ落ち、沢山の涙が地面を濡らしていました。

「うわあーーーん! みうっちが死んだーーー……みうっちが死んだーーー!! ひぐっ……」

 その後、ルナちゃんの涙はしばらく治まりませんでした。


「ぐすっ……ただいま」
「ルナ、おかえり。ってどうしたんだ? 目が真っ赤じゃないか?」

「お兄ちゃん……うわあーーーん!」
「おいおいルナ、一体どうしたんだ」
「みうっちがー、みうっちがー!」

「みうっち? 確かルナのお友達で、時空の乱れの犠牲になった子か?」
「う、うん……みうっちが死んだって知って、わたしもうどうすれば……」

「……ルナ、良く聞くんだ。時空の乱れに吸い込まれたお友達は、恐らくもう戻ってこない可能性が高い。でもな、お前には俺も着いてるしリリだって居る。だから大丈夫だ」
「ぐすっ……お兄ちゃん……お兄ちゃーーーん!」

 ルナちゃんは再び大泣きしてしまいました。


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  • 最終更新:2018-02-09 12:01:16

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