第1話:入れ替わっちゃった!?

 幼なじみなう 第1話:入れ替わっちゃった!?

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 初めまして、僕の名前は六と書いて「ろく」と読みます。
 この町「時渡町」にある「私立時渡学園中等部」の2年生です。

 幼なじみの「桜みい子」ちゃん、通称「みーちゃん」と同じクラスです。
 彼女は幼稚園の時からずっと僕と一緒で、身長が少し低めのかわいい女の子。
 僕から取ってのみーちゃんは妹みたいな存在です。

「みーちゃん、おはよう」
「あ、ろっくんおはよう!」

 僕はいつも元気な彼女と一緒に学園へ登校します。

「おねえちゃん、待ってよーぅ……」
「あらみう、ちゃんとご飯は食べたの?」
「うんー……ごほっごほっ」

「あらあら、つっかえちゃってるじゃないのー、急いで無理しちゃダメよ?」
「えへへ……はーい」

「みうちゃんもおはよう」
「おにいちゃん、おはよう!」

 こちらはみーちゃんの妹さんで、初等部に通う6年生の女の子「桜みう」ちゃん。
 大抵登校時はみーちゃんの後に、少し遅れて僕達に合流してきます。
 どうやらいつも時間になってもなかなか起きられないようで、急いでご飯を済ませてくるようです。

「ねえねえ! みうのクラスね、今日は体育でプールがあるんだよ!」
「みうったら昨日張り切ってたわね。今日は天気も良いし気持ち良さそうね」
「うん! プール楽しみ!」

「プールかぁ、それは楽しみだね。僕達のクラス、今日は体育が無いよ」
「そうね、暑いしプールがあれば良かったのにね」

 季節は太陽が容赦なく照りつける真夏日でもうすぐ夏休みです。
 僕は今年もこのまま何事もなく夏休みを迎える、とこの時は思っていたのです。

 そう、まさかあんな事になるだなんて思ってもいなかったのだから……。


「学園へ到着ね。じゃあみう、また後でね」
「うん、おねえちゃん!」
「みうちゃん、行ってらっしゃい」

 初等部の方へ向かって行くみうちゃんを見送り、僕とみーちゃんは中等部へ向かって行きました。

 背が小さくてかわいらしい、僕の幼なじみのみーちゃん。
 そんな彼女は男の子達の母性本能でもくすぐるのかな?
 みーちゃんはいつでもクラスの男の子達に人気があるようです。

「おはよう!」
「おはよう」

 僕はみーちゃんと一緒にあいさつしながら教室へ入りました。
 すると多くのクラスメート達の視線が僕達に集まります。

 「僕達」と言うより、正確には恐らくみーちゃんに対してなのだろうけれど……。

「桜さん、おはようございます」
「みい子ちゃん、おはよう」
「みーちゃん今日も元気だねー」

 ははっ、相変わらずみーちゃんは人気者みたいです。

「六ー、相変わらずみい子ちゃんと一緒の登校か! 熱いねぇー!」
「そ、そんなんじゃないってば」
「さあー、どうだかなぁー?」

 この男子はいつも僕に絡んでくる悪友みたいな奴で、名前は……まぁ、どうでもいいかな。

「ろっくん、じゃあみい子は席へ行くね。また後でね!」
「うん、また休み時間にでも」

 みーちゃんと一緒なのは一旦クラスの席に着く場所までです。
 みーちゃんは僕の方を見て「ニコッ」と笑顔を浮かべ、手を振って自分の席へと向かって行きました。


 みーちゃんはクラスの人気者で、身長も低くとてもかわいい女の子。
 だけれど僕に取っては幼なじみ以外の何者でもない。
 かわいいとは思っているけれど「まるで妹のようにかわいい」とそんな感じです。

 こんなにクラスの人気者なんだもの。
 もしみーちゃんを好きになっても、僕の事を好きになってくれるだなんて思えない。

 みーちゃんは色々な男の子達とも仲良くしているし、そういう性質の娘なのです。
 誰とでも仲良くなってしまう、人懐っこい性格がますます母性本能をくすぐるのです。
 きっと僕の事もみーちゃんからすれば、只の「幼なじみ」にしか過ぎないのでしょう。

 だから僕も僕で、みーちゃんの事は割り切ってます。
 彼女の事は幼なじみで妹みたいな女の子、とそう捉えています。

 みーちゃんはかわいいけれど、とても恋愛対象として見れそうにないです。


『キーンコーンカーンコーン』

 1限目が終わり10分間の休憩時間となりました。

「ろっくんー、ちょっと廊下行こ!」
「うん、いいよ」

 授業が終わった直後、みーちゃんは早速僕の元へやって来ました。

「ちょっとおトイレ行くね」
「うん、行っておいで」

 みーちゃんは廊下へ出るなりそう言って、女子トイレへと向かって行きました。
 トイレへ行くのに1人で教室を出るのが嫌なのか、いつも僕と一緒に廊下へ出ます。
 そして僕はいつも通り、廊下でみーちゃんのトイレの帰りを待ちます。

「おい、六ー」

 クラスメートの男子の1人が僕に話し掛けてきました。

「ん、何だい?」
「みい子ちゃん今日もかわいいな、いつも一緒に居る六が羨ましいよ」
「まあ幼なじみだからね」

「六はみい子ちゃんとはやっぱりその……付き合ってたりするのか?」
「いつも言ってるけど、只の幼なじみ。それ以上の関係はないよ」
「本当だな……?」
「うん、本当だよ。只の幼なじみだってば」

「ろっくんー、お待たせー」
「あ、みーちゃん。お帰り」

「あ、じゃあ俺はこれで」
「うん、じゃあね」

「ねえねえろっくん、何か話していたの?」
「うん、ちょっとね」
「何を話していたの?」

「そ、それは……」

 僕とみーちゃんの関係を訊かれていた、とはちょっと言いづらいので……。

「今日はプールが無いから暑いな、って。そう話していたんだよ」
「そうなんだ。残念だよね、今日はせっかくの良い天気なのに」
「うん、そうだね。みうちゃんのクラスは羨ましいね」
「そうだね、きっと今日は学園が終わったらプール楽しかった! って言ってくるのが目に浮かぶね」

「あははっ、そうだね」

 僕はトイレを済ませたみーちゃんと、いつものように廊下でお話をしていました。


『キーンコーンカーンコーン』

 午前の授業も終わりお昼休みになりました。
 お昼休みはいつもみーちゃんと購買部へ向かいます。

「ろっくんー、いつもの買いに行こっ!」
「うん、ちょっと今お財布出してくるね」

 みーちゃんは笑顔でわくわくしています。
 いつもお昼を買いに行くのが楽しみなようです。

「お財布おっけー。よし、じゃあ購買部へ行こうか」
「うん、行こうー!」

 廊下へ出て僕とみーちゃんは購買部へ向かいます。

「今日もみうちゃん居るかな?」
「多分ね、みうも毎日楽しみみたいだから、きっと買いに来てるわよ」

 僕の学園は初等部から高等部までエスカレーター式になってます。
 そして初等部から高等部まで一律、お昼は各自自由になっています。

 お弁当を持ってくるもよし、購買部で買うもよし、学食で食べるもよし。
 お昼は初等部から高等部まで一斉に賑わうので、時渡学園の購買部と学食は少し広めです。
 ちなみに初等部は3年生までがお弁当持参で、4年生からは学食や購買部もOKになってます。

「さて今日もあるかな? 目的のあんぱん♪」
「きっとまだ残ってるよ。めろんぱんもあると良いけど」

「あ、あんぱんはっけーん! みい子買ってくるね!」
「うん、じゃあ僕はいつものこれを……」

 僕は焼きそばパンを1つ持って、みーちゃんと一緒に会計へ並びました。

「やったー、めろんぱん確保ー♪」

 パン売り場からはみうちゃんの声も聞こえてきました。
 今日もみうちゃんはいつも通り買いに来たようで、大好きなめろんぱんを確保できたようです。

「みうちゃんも来てるね」
「うん、じゃあ買い終わったら皆で中庭に行って食べようね」
「うん、そうだね」


「あんぱんが110円になります」
「はい、110円ちょうどです!」
「毎度ありがとうございますー。では次の人は……焼きそばパンが120円になります」
「じゃあ150円でお願いします」
「お釣りが30円、ちゃんと確認してちょうだいね。毎度ありがとうございますー」

「じゃあ会計も済ませたし、列から外れてみうちゃんを待とうか」
「うん、多分みうもすぐ終わるね」

「あ、おねえちゃんーおにいちゃんー」

 僕達に気付いたみうちゃんが、めろんぱんと逆の手で僕達に手を振っています。

「みうー、お姉ちゃん達もう買ったからここで待ってるわねー」
「うん! 終わったらすぐ行くね!」

 僕達が待っている事に気付いたみうちゃんは、嬉しそうな表情を見せました。

「めろんぱんが110円になります」
「じゃあちょうどでお願いしまーす……あ、あれっ? 10円持ってきた筈なのに無い……」

「みうちゃん、何かとらぶってるみたいだね?」
「うん、ちょっと見てこようかな?」
「あ、大丈夫だよ。僕が行ってくるから」

「うーん、ごめんね。じゃあろっくん、お願いね」

 みうちゃんったら、きっとまた10円玉を忘れたのかな……。

「はい、みうちゃん。10円でしょ?」
「あ、お兄ちゃん! ありがとう!」
「いいよいいよ。それよりも後ろがつっかえちゃうから早く買っておいで」
「うん、ありがとう! 後で返すからね!」
「10円くらいいいよいいよー」

「やっぱり10円だった?」
「うん、みうちゃんったら今日も忘れちゃったみたいだね」
「いつもごめんね、ろっくん。みい子あとでお金払うから」
「いいよいいよ10円くらい。ね?」

「で、でも……みうってば1週間の半分以上は忘れてくるのよ? 多分1ヶ月もすれば……」
「120円くらいかな」
「あははっ、ろっくんの大好きな焼きそばパンが1つ買えちゃうね」
「うん、そうだね。でもいいよ? 僕が勝手にあげてるんだし」

「うーん、でも何だか悪いわ……」
「いいのいいの。僕達幼なじみじゃないか」
「うーん……ろっくん、ありがと」

「おねえちゃんーおにいちゃんーお待たせー。めろんぱん買ってきたよ!」
「あ、みうちゃん。良かった良かった」
「みうったら、ろっくんに迷惑掛けちゃうからもう10円玉忘れちゃダメよ?」

「はーい、えへへっ」

 と、いつもこんな調子でみうちゃんは返事をするのです。
 だけれど次かその次の購買部の時になると、結局みうちゃんは10円玉を忘れてくるのです。

 こういうのってもしかしたら、今風の言葉でドジッ娘って言うのかな……?


「今日も空気がおいしいねー」
「うん、ここはいつ来ても落ち着くね」
「わーいわーい中庭だぁー」

 僕達は学園の真ん中に位置する中庭へとやってきました。
 中庭は初等部、中等部、高等部、今は使っていない旧校舎の四方に囲まれている真ん中に位置しています。
 自然が生い茂っていて真ん中には噴水があり、その噴水からは柱が立っていて1番上には時計が付けられています。
 周りを見渡すとぼちぼち初等部や高等部など、他の学年の生徒達もベンチに座ってランチタイムを楽しんでいます。

 僕達も空いているベンチへと3人で座り、いつも通り仲良くランチタイムです。

「「いただきまーす」」
「あんぱんおいしーい」
「めろんぱんもおいしいー」

 大きく口を開けてそれぞれの好きなパンを頬張るみーちゃんとみうちゃん。
 こんな2人を見ていると仲の良い姉妹なんだね、とついつい思ってしまいます。

「あれ、ろっくんどうしたの?」
「食べないのー?」

「ん、2人共仲良いなって思ってね」
「え、そうかなー?」
「パンを食べるのも息ぴったりなんだもの」
「だっておいしいもんねー、えへへー」

「じゃあ僕も食べようかな」

 僕は購買で先程買った焼きそばパンのラップを剥がし、パンを一口かじりました。

「うん、いつも通りの味でおいしいね」
「ねえねえ、おにいちゃんは何でそんなに焼きそばパンが好きなの?」
「えっとそれはね……」

 みーちゃんが僕の方にウィンクで合図をしてきました。

「それは、秘密だよ」
「えー、何でー。2人して何か隠してるのー?」
「そんな事無いわよ。ね? ろっくん」
「うん、別にね」

「あーやっぱり2人して何か隠してるー」

 僕が焼きそばパンを好きな理由。
 それは僕とみーちゃんがまだ初等部の時……。


「ごちそうさまでしたー」
「ごちそうさま。じゃあちょっと中庭の散歩をしてから教室へ戻ろうか」
「「うん!」」

 ランチタイムの後は、いつも食後の運動で中庭を軽く一回り。
 自然の緑が生い茂った綺麗な空気の中庭を歩き、気分もよりリフレッシュさせてから教室へ戻ります。

「あ……ろっくん、みう、ちょっとごめんね。みい子やらなくちゃいけない事が」
「……なるほど」

「何がなるほどなの?」
「な、何でもないよ! ね、おねえちゃん?」
「そ、そうなの。何でもないのよ……ごめんね、みい子先に戻ってるね」
「うん、分かったよ」

 そう言ってみーちゃんは先に戻って行ってしまいました。
 みうちゃんはそれについて何か知っていそうな感じがするけれど……。

「みうちゃん、何か知ってる?」
「えっと……お、女の子には色々あるんだよ!」
「……?」

 女の子には色々ある、か……何だろう?

「良く分からないけれど……詳しく話せる?」
「い、嫌ーよ……!」

 何故か頬を少し赤らめてしまっているみうちゃん。
 何か恥ずかしい事でもあるのかな?

「分かった、ごめんね」

 そう悟った僕は、その事について訊き出すのを止める事にしました。

「そういえばみうちゃんはこれからプールだっけ?」
「うん! 5限目と6限目で2時間プールだよ!」
「それは楽しみだね。じゃあ散歩で沢山汗を掻いちゃってもプールで洗い流せるね」
「うん、教室に戻る頃にはきっとすっきりしてそうだよ!」

 最近はこうして中庭でみうちゃんと2人きりで話す事も多い。
 何故か分からないけれど、ここ数日のみーちゃんは先に抜け出してしまうのです。
 結果的に残ったみうちゃんと2人でお話をして、その後お散歩をして教室へと戻ります。

『キーンコーンカーンコーン』

「あ、お昼休みが終わる予鈴だね」
「もう時間なんだ、もっとおにいちゃんと一緒に居たかったのにつまんないね」
「大丈夫だよ、また放課後ね。それにみうちゃんはプールがあるでしょ?」

「はっ! そ、そうだ! みうプールだから着替えなくちゃ! じゃあね、おにいちゃん!」
「ははっ、慌てて転ばないように気を付けてね」

 みうちゃんは焦りながら初等部の方へと走って行きました。

「だーいじょーぶ! おにいちゃんありがとーっ!」
「うん、じゃあまた後でね」

 満面の笑顔で勢い良く手を振っているみうちゃん。
 そんなみうちゃんの姿もやがて遠ざかって行き、次第に見えなくなってしまいました。

 さて、僕もそろそろ教室へと戻ろうかな。

「ろっくんー……」
「あれ、みーちゃん。どうしたの?」
「あのねー、みい子ねーーー……」

「って、みーちゃん大丈夫!?」

 僕の名前を呼んで中庭へ現れたみーちゃん。
 だけれどみーちゃんは何だか凄いふらふらで、具合が悪そうだったのです。

「えへへー、らいじょうぶらいじょぶ……きゅぅうううう」
「ちょ、みーちゃん……しっかり!?」
「あっ……ご、ごめんねーろっくんー」

 みーちゃんが倒れないように、僕は必死で彼女の身体を支えていました。

「保健室行こっ、ね?」
「きゅぅううううう……」

 僕は無我夢中でみい子ちゃんを抱きかかえて保健室へと向かいました。
 身体と足を手でしっかりと支えて……こういうのってお姫様抱っこって言うのかな。
 僕も恥ずかしいけれど今はみーちゃんの方が大事だし、気にしてなんかいられない。

「ろ、ろっくん!?」

 みーちゃんが真っ赤な顔で僕の顔を見つめてきます。

「大丈夫だよ、じーっとね? ぼ、僕だって恥ずかしいけど……」
「……えへへっ」

 僕はみーちゃんを保健室へと運んで行きました。


「ふむふむ……これは軽度の熱中症ね」
「熱中症……?」
「ええ。でも六君、大丈夫よ。症状は軽いし頭を氷で冷やしておけばすぐ治るわ」

「先生、ろっくん、ごめんね……みい子、迷惑掛けちゃって」
「いいのよ、みい子ちゃん。じゃあ後は先生が診とくから、六君は授業へ戻っても大丈夫よ」
「はい、すみません。みーちゃんをお願いします」
「任せてちょうだいね。すぐ治るから安心して」

 正直僕はベッドで寝かされてるみーちゃんが心配だったけれど……先生を信じて保健室を後にしました。

「さてと……男の子も居なくなった事だし、みい子ちゃん? 今日はアレの日よね?」
「えっ? せ、先生、何で……は、恥ずかしいよぅ」
「大丈夫よ、先生だって女性ですからね」

「うぅっ……そ、そうなんです。みい子、生理なんですぅ」
「熱中症になったのは恐らく貧血も原因ね。恐らく換気の悪い暑い個室だったろうから……」
「そうなんですかぁ……た、確かに個室に入ってからちょっとふらーっとしたかなぁ」


 朝、ろっくんを廊下へ呼んでおトイレに行ったのも生理で……。
 生理だと気持ちが不安で1人で、廊下へ出るのも何だか気分が悪い感じがするけれど。
 でもろっくんには恥ずかしくて言えないし、悟られないように一緒に廊下までは来てもらって。

 朝の時はおトイレでナプキンを取り替えてくるのも大丈夫だったんだよね。
 いつものおトイレは換気も良いし、それにまだ朝で気温がそこまで高くなかったからなのかなぁ?

 そしてさっきのお昼休みの時は……。


「「ごちそうさまでしたー」」
「ごちそうさま。じゃあちょっと中庭の散歩をしてから教室へ戻ろうか」
「「うん!」」

 ろっくんとみうで一緒に中庭のお散歩。
 気分もすっきりできるだろうしみい子、お散歩するの楽しみ!

 あっ……やだ。も、もうっ、こんな時に……。
 ご飯を食べてお腹が動き出したからなのかな……あっ、だ、だめっ。
 またおトイレ行ってナプキン取り替えないと……。

「あ……ろっくん、みう、ちょっとごめんね。みい子やらなくちゃいけない事が」
「……なるほど」

「何がなるほどなの?」

 みうはみい子が生理だって、察してくれたのかな?

「な、何でもないよ! ね、おねえちゃん?」
「そ、そうなの。何でもないのよ……ごめんね、みい子先に戻ってるね」
「うん、分かったよ」

 ろっくんともっともっと一緒に居たかったのに……昨日といい何でこのタイミングで。
 やっぱりご飯の後はお腹にも負担が掛かるし、生理が活発になりやすかったりするのかな?
 名残惜しいけれど中庭を離れて……みい子は中等部1階の女子トイレへと向かいました。


 ナプキンを取り替え終わったらまた中庭へ戻ろう。
 みい子はそう思って3階のいつものおトイレへは行かず、中等部の中庭から1番近い女子トイレへ向かったの。
 その女子トイレは普段生徒があまり使わないのか、窓の付いてない閉めっきりのおトイレで。

 中に入った瞬間、熱が籠もっててちょっと暑いかなって感じたよ。
 でも早く済ませてまた中庭へ戻りたいから……みい子、個室へと入ってスカートのポケットからナプキンを取り出して。
 それで急いでナプキンを取り替えようと思ってたのだけれど……何だか汗が出てきて途中から少しくらくら。

 取り替え終わっておトイレから出た後、少しくらくらしながらも中庭へと戻ってみたら……。

「ろっくんー……」
「あれ、みーちゃん。どうしたの?」
「あのねー、みい子ねーーー……」

 みい子ねーーー、ろっくんに会いたくてまた中庭に来たんだよー……あれれ、言葉になってない……。
 あ、身体が何だか急に……足がガクガクするよぅ……。

「って、みーちゃん大丈夫!?」

 ちょっと身体がふらっとしただけ、べ、別に大丈夫ー……。

「えへへー、らいじょうぶらいじょぶ……きゅぅうううう」
「ちょ、みーちゃん……しっかり!?」

 あれれー、な、何だか意識が遠退く感じがするよーぅ……。

「あっ……ご、ごめんねーろっくんー」
「保健室行こっ、ね?」
「きゅぅううううう………」

 そこからは少し記憶が曖昧だったけれど……その後気付いたらろっくんにお姫様抱っこをされてて。
 記憶がはっきりした頃にはみい子、保健室で寝かされていたんだよね……。


「せんせーぃ」
「みい子ちゃん、どうしました?」

「あのー、ろっくん……みい子を抱いて運んで来てくれたの?」
「ええ、お姫様抱っこで必死に駆け込んで来たのよ。先生びっくりしちゃったわ」
「うぅー……そ、その間みい子、廊下で注目されたりしてなかったかなぁ」
「もしかしたらされてたかもしれないわね?」

「はぅっ! は、恥ずかしいよぅ………」

「でも六君、とても必死だったわよ。男の子らしくみい子ちゃんを守ろうとしている表情で。あんな彼を見たのは多分、先生は初めてだったかな?」
「えー、そうだったんですか……ありがとっ、ろっくん」

「じゃあ先生はちょっと職員室でやらなくちゃいけない用事があるけど……みい子ちゃん、1人でも大丈夫?」
「大丈夫です! きっとろっくんがみい子を見守ってくれてるもの」
「うふふ、そうね。じゃあゆっくりしてていいから大人しくしてるのよ」
「はーい、分かりましたー」

 保険医の先生が保健室を出て行った後も、みい子はろっくんの事を考えていました。
 ろっくん、ありがとっ……みい子重くなかったかな? 大丈夫だったかな?
 あれっ、な、何だかまた意識が……まだ熱中症と貧血の影響が出ているのかなぁ?

 今は大人しく寝ておいた方が良いみたい、きっと起きたらまたろっくんに会えるよね?


 只今6限目の授業中です。
 だけれど僕は熱中症で弱りかけていたみーちゃんが気になってしまって……。
 授業中にも関わらず、あまり授業へ集中できていませんでした。

 みーちゃん、大丈夫かな……?
 もしも僕がみーちゃんだったならば、みーちゃんの身体を守ってあげられるかもしれないのに。
 ははっ、でもそんな事実際にできる訳ないものね。僕は僕だしみーちゃんはみーちゃん。

 でも、そうと分かっていてもそういう事を思ってしまったりもする。
 何だかみーちゃん、最近貧血なのか少し調子悪そうに見える事も多かったし……。
 何が原因なのか僕には分からないけれど、でも女の子の身体だから男より弱いのかな?

 男の子と女の子でそれぞれ違う僕とみーちゃん、何だか女の子って弱そうで大変そう。
 でも男の子である僕にはきっと、女の子の分からない事や知らない事なんて沢山あるのだろうね。

 こういう時にみーちゃんの色々な事を分からなくて、もどかしく思ったりもする。
 僕がもっとみーちゃん自身の事を色々と知る事ができれば……。
 そうすれば今よりももっともっと、きっと沢山みーちゃんを守れるかもしれない。

 男の子だもん。幼なじみの女の子を守ってあげたいのは当然だもんね?


「ありがとっ、ろっくん。でもみい子は大丈夫だよ」
「えっ? あれっ、みーちゃん?」
「ごめんね。ろっくんの気持ち、勝手に全部読んじゃったの」

 あれっ、みい子いつの間にろっくんとお話をしていたのだろう……?
 確かさっきまで保健室で寝ていた筈だけど……えっ、もしかしてこれって夢なのかな?
 夢なのか何だか良く分からないけれど……何故かろっくんの気持ちがみい子に筒抜けだったの。

 ろっくんがみい子だったならば、みい子の身体をもっと守ってあげられたかもしれないのにって。
 嬉しい……ありがとっ、ろっくん。でもみい子はみい子だしろっくんはろっくんよ。

「うーん、何でか分からないけど、みーちゃんには僕の思ってる事が分かっちゃったみたいだね」
「うん、みい子も何でなのかは分からないけれど……きっとこれは夢なのかもしれないね?」
「そうだね、そういえば僕達何だか良く分からない所に居るものね。周りの景色もぼやけてるし」
「うん、ここは一体何処なんだろうね?」

「まあ夢ならばそのうちきっと覚めるよ。夢ならば今はリラックスしてゆっくりしようよ」
「そうだね、どうせ夢なんだろうけれど……でもみい子、ろっくんと一緒で嬉しいよ」

「そういえばさっき、僕がみーちゃんだったらもっとみーちゃんを守れるかな? と思ったりしたけれど……もしもこれが本当に夢ならば、僕はみーちゃんになれちゃったりもするのかなぁ?」
「現実だと想像も付かないけれど、夢ならば面白そうかもしれないわね? それでみい子がろっくんなの?」
「そうだね。もしも本当にお互い入れ替わる事でもできれば……お互いの事をもっともっと良く知れるかもね?」

「うーん、そうかもしれないね。なんだかドラマみたいでそういうのもロマンチック、かな?」
「「あははははっ」」

 みい子がろっくんでろっくんがみい子だったら、何だか想像してみたら確かにろっくんの言う通りで。
 もっともっとお互いの事を知れるかもしれないのに、と思ってしまって。

「今のお話は本当かな? もし2人の意思が本物ならば……」

 あれっ、何処からか誰かの声がする。一体誰の声なのだろう?
 それに何だか身体が重い……目も開けてられない、夢の中なのに目が開かないなんて何だか変なの。
 もしかしたらみい子、夢から覚めようとしているだけなのかな……?

 うん、きっとそうよね。今は流れに身を委ねればきっと目が覚めて……。


『キーンコーンカーンコーン』
「……んにゃ?」

 授業の終わりを告げるチャイムの音と共に、目を覚ましたみい子。

 あれっ、確かさっきろっくんと話していたような……やっぱり夢だったのかな?
 確かみい子、熱中症と貧血で倒れて保健室のベッドで……。

(あれっ、何だかおかしい?)

 そう、みい子は確かに保健室のベッドで寝てた筈だよね?
 気が付くと何故か視界に映ってるのはどう見ても教室の景色で……6限目が終わった直後?

「はーい、じゃあ席に着いてくださいねー。帰りのHRを始めますよー」
(帰りのHR……? あれっ、みい子ってばいつの間に教室へ戻ったのだろう?)

 寝ている間に誰かが運んだのかな? それとも自分で教室まで歩いて来たのかな?
 覚えている記憶と言えば……さっきろっくんと夢の中でお話していたような事と。
 あとお話していた内容が確か……みい子がろっくんでろっくんがみい子だったらって……。

「桜さんはまだ保健室みたいね?」
「えっ? せ、先生……あ、あれっ?」

 先生にみい子はここに居ます、って言おうと思ったのだけれど……あれれーっ?
「六君どうしました? 桜さんの事で何か新しい連絡でも聞いてます?」
「えっ、ろっくんって……えっ、えっ?」

 この声……間違いなく喋っているのはみい子なのに……ろっくんの声だ。

「……六君?」
「あっ、ご、ごめんなさい! な、何でもないのですぅ……」

「……? と、とりあえず桜さんまだ保健室みたいだから。六君、もし大丈夫そうだったらまた顔出ししてあげられるかな?」
「あっ、はい。わかりましたぁ……」

 うん、間違いないよねこれ……みい子、ろっくんになっちゃってる!?


 中庭で意識がぼーっとしてた時は、確かまだいつものみい子だったよね……。
 そ、それで運んでもらって保健室のベッドで寝かされて……夢を見てたみたいで。
 そこでろっくんとお話をしててー、ろっくんがみい子だったら守ってあげられるのにって。

 みい子、その後ろっくんに何て言ってたんだっけ? えーと確かぁ……。

『そうだね。もしも本当にお互い入れ替わる事でもできれば……お互いの事をもっともっと良く知れるかもね?』
『うーん、そうかもしれないね。何だかドラマみたいでそういうのもロマンチック、かな?』

『『あははははっ』』

 えぇーーーーーっ!? ま、まさかそれで本当にみい子とろっくんが!?
 えっ、で、でも……まだみい子の中にろっくんが居るって確認できた訳じゃないし……。
 そ、それに今のこれが夢だったりするのかも分からないし……で、でもでも夢にしてはリアル過ぎ!?

「では今日のHRはこれで終わります。日直の人は号令をお願いします」

 えっ!? あ、HR終わりなんだね……立たないと。

「起立! 礼!」
「「「先生さようなら」」」

「では部活の人は頑張って、帰宅の人は気を付けて帰ってくださいね」


 HRが終わってみい子は再び席へと座ってみる。
 今になって気付いたけれど……ここ、席の場所がろっくんの場所だ。
 それにみい子、何だか今立った時に身体が軽い感じがした。

 いつもだったら生理期間だし、立つのも少し重く感じるのに……。

「なあ、六ー」

 あ、ろっくんのお友達さんかな?

「はい、ろっくんは只今保健室ですぅ……多分」
「へっ? 何おかしな事言ってんだ?」

 あっ、え、えっと……と、とりあえずみい子がろっくんなのよね。

「あ、ごめんなさいー、い、今は私がろっくんですぅー」
「……私?」
「えっ、え、えっと……あぅー」

 えーとろっくんのいつもの一人称はー……。

「ぼ、僕に何か用ですか!?」
「うわっ! び、びっくりしたなぁもう……いきなり大声で」

 み、みい子だって色々とびっくりだよぅ……。

「あっ、えーと……」

「みい子ちゃんなんだけどさ、熱中症で倒れて保健室で寝てるんだろ?」
「え、えーと……そ、そうです」
「お前すごい心配してたもんな? みい子ちゃん大丈夫かなぁ、って思って」

「えっ? ろっくんが!?」
「……あー、みい子ちゃん心配し過ぎてお前ちょっとおかしくなってるの?」
「あっ、ご、ごめんなさ……あうぅー」

「と言うか……何だかお前、みい子ちゃんみたいなリアクションだな……」
「ギクッ! き、気のせいですよぅ!」
「そ、そうだよな? どうみても六だもんな? まあ……保健室に顔出してやれよ?」
「う、うんー……」

「じゃあな、お前も疲れてるみたいだから俺、もう帰るな。また明日」

 えーと……普段みい子はお話した事が無かったけれど、ろっくんが時々お話しているお友達さんだよね?
 みい子にろっくんの名前呼んで話し掛けてくるって……やっぱり、今のみい子ってろっくんなんだ。

 とりあえずみい子の身体がどうなっているのか確認しなくちゃ……保健室に行ってみるしかないよね。


「すみませーん」

 と言う訳でみい子は保健室へ来てみたのだけれど……。

「あ、おにいちゃん!」

 すると先に妹のみうが来ていたようです。

「おねえちゃんね、調子悪いってみうにも連絡があってビックリしたけれど……大丈夫みたいで良かった」

 みうに連絡? 初等部だから校舎が違うけれど、誰かが連絡を入れてくれたのかな?

「おにいちゃんありがとっ! おねえちゃんを運んでくれて……」
「あ、えっと………」

「あっ、ろっくん。来てくれたんだ?」
「……えっ!? わ、私!?」
「……うん? ろっくん、何言ってるの? みい子だよ?」

「えっ……で、でも……」

 目の前のベッドにはみい子が座っていて……勿論、そんな事態はみい子にだって予測はできた。
 でもてっきりみい子は、ろっくんがみい子になっちゃっているものかと思ってたけれど……。
 目の前のみい子はどうみてもみい子と言うか、私自身みたいな感じがして。

 えっ? じゃ、じゃあろっくんは何処へ? 今のみい子……私、一体誰なの!?

「ごめんねろっくん。みい子、もう大丈夫だから。じゃあ保健の先生に断って帰る準備しよ?」
「じゃあみう、保健の先生捜しに行ってくるよ!」
「うん、ごめんねみう。多分保健の先生は職員室へ行ってると思うから」

「うん、分かった! おねえちゃん!」

 そう言って妹のみうは一旦保健室を出て行って……。

「さてとろっくん……じゃなくて、みーちゃん?」
「えっ? わ、私!?」

「みーちゃん……だよね?」

「も、もしかして……や、やっぱりろっくんなの!?」
「うん、見ての通り今はみーちゃんになっちゃってるけれどね」

「え、じゃ、じゃあ何で? さっきみうが居た時……中身がろっくんだなんて思えなかった。なんだかとてもろっくんには見えなくて、本当のみい子じゃないのかなって思っちゃって……」

「あははっ、ごめんね。あれは演技なんだよ? みーちゃんになりきってみたの」
「えっ、で、でも何で………」

「みうちゃんや皆を騙したくはなかったし本当の事を話したい。でもなりきるしかなくて……」
「えっ? ど、どういう事……?」
「えっとね、それはさっきね……夢で」

「ただいまー、保健の先生に話してきたからねっ! じゃあ帰ろうよ、おにいちゃん、おねえちゃん」
「あっ、みうお帰りー、ありがとね?」
「うん! えへへーっ!」

「じゃあろっくん、教室へ荷物取りに行ってから3人で帰ろっか?」
「えっ!? あ、う、うん……そ、そうだね!」

 ろっくんがまたみい子になってる……。
 何処からどうみてもこれ、本物のみい子にしか見えないよ……。
 で、でもさっきのって嘘じゃないよね? 目の前のみい子、ろっくんって言ったよね!?

 あれれれれ……も、もう何が何だか……。

「じゃあみい子はろっくんと鞄とか取って来るからね、みうは玄関で待ってるのよ?」
「うん、分かった。おにいちゃん、おねえちゃん、行ってらっしゃい! みう先に玄関へ行ってるね!」

 みうはそう言って先に玄関へ行っちゃいました。


 荷物を取りに教室へ向かっているみい子とろっくん。
 でもろっくんはみい子の姿をしているけれど……そ、そしてみい子も恐らくろっくんの姿なのだろうけれど。

「ね、ねぇ……ろっくん? だよね?」
「ん? なーに? ろっくん」

 あ……どう見てもみい子みたい。

「えっ、じゃ、じゃあみい子……い、一体誰なの……」
「ごめん、後できちんと話すから……」
「えっ、ろ、ろっくん!?」

 みい子の姿をしたろっくん(?)がみい子に小さな声で耳打ちをしてきました。
 や、やっぱりみい子の姿をしてるけれど……ろっくん、なんだよね?

「ごめん、今はお互いそれぞれの振りをして……」
「あっ、え、えっと……な、何だか分からないけれど……うん」

 ろっくんが言うにはお互いの振りをして、姿通りになりきってほしいらしい。
 それでろっくんはみい子になりきっているようで……な、ならみい子は……。


「あ、おにいちゃん、おねえちゃん」
「みう、お待たせ。ちょっと遅くなっちゃってごめんね」
「大丈夫だよっ! それじゃあ帰ろう!」
「うん、帰ろうか」

 よ、良く分からないけれど……ろっくんになりきるしかないよね!?

「プール楽しかったー!」
「良かったね、ところでみう?」
「なーに? おねえちゃん」

「プール道具は?」
「えっ? ……あ」

「教室へ置いてきちゃったのね? おうちできちんと洗濯しないと乾かなくなっちゃうわよ?」
「あぅっ……と、取って来るね! おねえちゃんとおにいちゃんは先行ってて!」

「……もう、みうったら」

「今は僕なんだから……みうちゃん、って言わないとだよ?」
「あっ、うん。ろっく……みーちゃん」

「さてと、校舎も出たしここまで来ればいいかな?」
「さっき言い掛けてたお話?」
「うん、実はね………さっき夢でこんな事があったんだ」


(あれっ……みーちゃん?)

 さっきまでみーちゃんと一緒に居た筈だけれど……みーちゃんが急に居なくなってしまいました。

「みーちゃん、何処行ったの? ……えっ、こ、この声!?」

 僕がみーちゃんを捜そうと発した声……何故かそれはかわいらしい女の子の声だったのです。
 しかも良く聴き覚えがあって……いつも聴いているのだし、僕が聞き間違える筈が無い。

「これって……みーちゃんの声、だよね?」

 僕はすぐに状況を飲み込む事ができました。
 何故ならばこれは夢だから、夢なんだからどんなにおかしな事が起こったって不思議ではないのです。

「こ、これって胸……だよね? みーちゃん、あまり無さそうに見えて意外とあるんだ……」

 僕は今の自分の身体……みーちゃんの身体を、手で触って確認していました。
 そしたら男の僕の身体には本来無い筈の胸の膨らみがあって……みーちゃんの胸があったのです。

「あー、僕、みーちゃんになっちゃったんだね……。な、何ともかわいらしい声だろう」

 どうせ夢だからいいんじゃない、とその時は呑気に考えていました。
 きっとこれは夢だろうから、目が覚めればどうせ元通りになっているのだろうし。
 それにさっき僕が思っていた事……"僕がみーちゃんだったならば"。

 きっと僕が今みーちゃんになってしまっているのはそのせいだよね?


「おにいちゃん、おねえちゃん、プール道具取って来たよー!」

「あっ、みうちゃんだ! ご、ごめん! 続きはまた今度話すから!」
「えっ、あ、う、うん」

「やっと追い付いたよー……ごほっごほっ」
「あらあら、みうったら……大丈夫?」
「うん! おねえちゃん!」

 こう見ていると……さっきお話も聞いたし、間違いなく今はろっくんがみい子なのだろうけれど。
 まるで本物のみい子にしか見えないや……でもろっくん、演技だって言ってたよね?

 演技にしても何だか物凄く自然で……まさか知らなければ中身がろっくんだなんて思えないよ。

「ねえ、おにいちゃん」
「な、何?」
「プールすっごく気持ち良かったよ!」
「そ、そう。それは良かったね」
「うん! おにいちゃんなんかのクラスは明日プールだよね?」

「た、確かそうだったよね?」
「そうだね、でも明日は天気が悪いみたいだからプール入れるかな?」
「あー、そういえば雨降るかもーって言ってたよね?」

 こんな感じでみい子とみうとろっくんの3人で下校して行ったのだけれど……みい子とろっくんは入れ替わり中。
 そしてろっくんは何故か本物のみい子になりきっちゃってるし、何故かみうにもお話できないみたい。

 ろっくんは夢でどうのこうの言ってたけれど……続きが気になるよう。

 でもろっくんが言うには、とりあえず「お互いの振りをしてほしい」との事らしい。
 とりあえず今分かっている事、それはみい子がろっくんになりきらなければならないと言う事。
 みい子にそう言ってるくらいだから勿論、ろっくんはすっかりみい子になりきってる。

 みい子だってみうを騙してるみたいで嫌だけれど……でも、ろっくんがそう言うんだもの。
 きっとなにか重大な訳があるに違いないよね? 今はろっくんを信じてなりきるしかないんだね?


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  • 最終更新:2018-02-10 00:29:53

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