マジカル6☆あかりちゃんとラブレター

 光ちゃんにおまかせ! マジカル6☆あかりちゃんとラブレター

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 9月、木々が紅葉に染まって少し哀愁を感じる季節。

光「夏休みが終わってから、もうそこそこ経つよな」
中の光(そうね、落ち葉も増えてきているし本格的に秋なのね)

 夏休みが終わってからあっと言う間に時間が経ち、今は9月の中旬頃です。

光「早い物だな……もう光と一緒になってから半年程経とうとしているのか」
中の光(そういえばもうそんなに経つんだね)
光「さすがに半年近くも経てば慣れるし、このままずっと光のままでもいいかも」
中の光(なに言ってるのよ、私は早く元の状態に戻りたいわよ)
光「はいはい分かってます、その為に魔法少女頑張ってるんだものな」

 光が体内に輝を吸収してしまってからもう少しで半年。
 輝が光の身体の主導権を握ってしまい、光が脳内での精神同居状態となってからもうこんなに経ちます。



 ■このお話は~~~

 秋と言えば芸術の秋、読書の秋、そしてスポーツの秋!
 輝く太陽の下で戯れる地上の天使、ブルマ少女達!
 いっぱい汗を流し合って互いに頑張った仲間達と、最後はあんな絡みも……。

 ブルマは魔法少女のスク水に負けない程強いのです!
 ブルマさえあれば魔法が無くても世界平和だって訪れます♪



リリ「それって次回の内容だにゃん?」

 少し季節を先取りしすぎましたね……。

リリ「今回はどうやらあかりちゃんに関するお話のようだにゃん。私の出番は本編でもあるのかにゃん……?」



 朝、光ちゃん達はいつもの4人で登校しています。

あかり「皆さん聞いてくださいよ! それで魔法少女がですね!」
明梨「はいはい十分聞こえてるわよ……」
空明「あははー、あかりちゃん今日も気合入ってるねー」
光「あかりちゃんは元気な姿しか見た事ないよね」

あかり「もちろんですよ! 最近は魔法少女の話が尽きないですからね!」

 あっかりーんちゃんは今日も存在感たっぷりのようです。

あかり「あ、光さん! そういえばみうりんさんはお元気ですか!?」
光「あ、最近は私も会ってないけど、きっと元気してるんじゃない?」
あかり「テレパシーでお話はしないんですか?」
明梨「テレパシーと言う名の内緒話……」
空明「明梨ちゃん、しーっ……あかりちゃんがかわいそうだから」

 明梨ちゃんと空明ちゃんは、魔法少女同士のテレパシーが無い事に前回の件で気付いている様子です。
 しかしあかりちゃんは未だにテレパシーが使える、と思い込んでいるようですね。

光「あ、えーとね、失敗する事が多くてねー……最近不調なのかなー」
あかり「まあそういう事もありますよね!?」
明梨「でも光ってぶっちゃけ、魔法失敗する事の方が多くない?」

光「うっ、痛い所を……」

 明梨ちゃんは割りと思った事をストレートに言ってきます。

あかり「明梨さん、光さんの潜在能力はすごいんですよ!? 光さんが本気を出せばきっと世界平和だって起こっちゃうんですからね!」

光「いや、それはさすがに大げさすぎる」
空明「へー、そうなんだー。光ちゃん頑張ってねー」
光「いやだからそこまでは……」

 なんだかあかりちゃんが勝手に、光ちゃんへの期待を大きくしちゃっています。

明梨「光の魔力は基礎力が高いのに、なんだか不安定な事が多いのよね? まるで魔法を使う時に別の事でも考えているかのような……」

あかり「確かにそうですよね、意識が1つに定まらないとかでしょうか?」

中の光(輝、もしかしてそれって……)
輝(俺と光2人居るから、2人の意識が合わさらないと魔法が成功しにくいとか?)
中の光(もしかしたらそういう事なのかなぁ……)

光「そうなのかなぁ……」
あかり「それにしても明梨さん、やけに分析が詳しいですね?」
明梨「へっ!? わ、私はただ単に……」
あかり「魔法少女ってあんまり好かないんじゃなかったんですかー?」
明梨「え、えっと……」

あかり「もしやあかりと仲良くなる為に、必死に勉強したとかですk」
明梨「そんな訳ないじゃない」
あかり「そ、即答って酷いですよー!?」

明梨「そ、そうね……光が魔法少女だから、その為ちょっと知識入れただけよ!?」

 明梨ちゃんは光の為に少し知識を入れた、と言っていますが……。

中の光(ねえ輝……明梨ちゃんの事、どう思う?)
輝(ツンデレだけど時々かわいいって思ってる)
中の光(そうじゃないっての! 魔法に対する事よ)
輝(そうだな、あの魔法少女嫌いの明梨ちゃんが知識を入れるだなんてねー)
中の光(それに明梨ちゃんって以前……)

輝(うん、そうだったよな……)

 明梨ちゃんは以前、みうちゃんが時間停止の魔法を使ったにも関わらず動いていたのです。
 みうちゃんの魔力の高さならば魔法が失敗したとも考え辛く、しかし普通の人間だったならば魔法が掛からないのはおかしな話で。

中の光(明梨ちゃんって一体……魔法少女だったとすれば辻褄が合うけれど)
輝(でも活動気配も無いし、それに魔法少女を毛嫌いしているんだよね)
中の光(うん、だから魔法少女とも考え辛いよね……)

明梨「光、光ってばどうしたの?」
あかり「なにか考え事ですか?」
空明「もう学校着いたよー。上履きに履き替えよ?」

光「えっ? あ、えっと」

 中の光と明梨ちゃんの事をお話していたら、いつの間にか学校に着いていました。

あかり「さーって教室に行ったら魔法少女対談の続きを……あ、あれ!?」
明梨「ん、どうしたのあかり」

 あかりちゃんは下駄箱を開けて、なにかに驚いたようです。

あかり「な、なんでもないですよ……あはは」

 そしてささっと手をうしろに回すあかりちゃん。

明梨「……あかり、うしろになにか隠したでしょ」
空明「え、あかりちゃんなにを隠したの?」
あかり「えっ、あ、あかりは……あの、その、別になにも……」

 なんだかあかりちゃんの様子が少しおかしいです。

明梨「くっ、仕方ない……光、例のあれを」
光「例のあれね? あかりちゃん、見せてくれたらみうちゃんのサインを」
あかり「た、たとえみうりんさんのサインでも……これはダメなんですっ!」

 あかりちゃんは慌てて先に教室へ逃げてしまいました。

明梨「嘘、あのあかりが……魔法少女の事で釣れないだなんて」
空明「あかりちゃんどうしちゃったのかなー?」
光「ね、ねえ、私ちらっと見えたんだけど……なにか手紙持ってなかった?」

 あかりちゃんが手に持っていた物は……手紙だったのでしょうか?

明梨「下駄箱に入ってた手紙ねぇ……ラブレター?」
空明「ええっ!? あかりちゃんにラブレターなの!?」
光「まだ決まった訳じゃないけど……」

明梨「あの魔法少女マニアにラブレターだったら、よっぽどの物好きね」
空明「でもあかりちゃんの元気さとかわいさならば納得行くかもねー」
明梨「うん、そうよね。あかりはめちゃくちゃかわいい……な、なんでもない!」

中の光(明梨ちゃんったら隠さなくてもいいのに……ねえ輝)
輝(きっと色々恥ずかしいんじゃないかな……)

空明「まさかラブレター、明梨ちゃんが入れたんじゃないよねー?」
明梨「なんで私がそんな事するのよ」
空明「だって明梨ちゃん、あかりちゃんの事だーいすきだもんねー」

明梨「だ、誰があかりの事なんて!」

空明「えー、別にいいと思うよー。あたしだって光ちゃんが好きだしー」
光「あ、ありがとう……」
明梨「空明の好きは主におしりじゃないの?」

空明「えー、違うよー」

中の光(いや多分それもあるとは思うけど……)
輝(きっとそうだよなぁ……)

 そんなやり取りをしながら、3人は教室へと向かって行きました。



 3人が教室へ入ると、先にあかりちゃんが席でなにやらおどおどしていました。

明梨「あかりー、どうしたのよー?」
空明「あかりちゃん、もしかしてラブレターもらった?」
光「そうなの?」

あかり「ち、違いますよっ!? あ、あかりにラブレターだなんて、だなんて……」

 あかりちゃんは必死に否定していますが、ものすごい慌て様です。

あかり「えーとただ手紙が入っていただけですからね!?」
空明「どういう手紙なのー?」
あかり「あなたの事が好きですって!?」
明梨「……ラブレターじゃん」

 あかりちゃんの下駄箱に入っていた物は、やはりラブレターだったようです。

あかり「し、しまっ……」
明梨「もう遅いわよあかり、さあ誰からなのか白状しなさい」
あかり「で、でも……あの、その……」

 あかりちゃんはもじもじしています。

空明「ねえ明梨ちゃん、あとにしよ?」
明梨「え、なんでよ?」
空明「周りの皆が見てるよ?」

あかり「あぅっ……」

 明梨ちゃんの声がクラス中にもれていたようで、あかりちゃん達は注目の的になっていました。

中の光(お恥ずかしい……)
明梨「くっ、あかり、ちょっと廊下へ来なさい」
あかり「え、あ、明梨さんったら」

 明梨ちゃんはあかりちゃんの手を引っ張って、廊下へと連れ出してしまいました。

空明「あ、待ってよー」
中の光(輝、一応私達も行こうか)
輝(うん、そうするか)

 ランドセルを席に掛けて、4人は廊下へと行きました。



明梨「よし、ここなら平気でしょ」

 教室から少し離れた廊下へ移動して。
 明梨ちゃんはあかりちゃんを問いただします。

明梨「さああかり、誰からなの?」
あかり「うぅっ、言えないですっ……」
光「あかりちゃん、みうちゃんのサインいらないの?」
あかり「欲しいけど言えないんですよっ……」
光「あららー、こりゃ相当言いたくないみたいね」
空明「サインにセットでドリンクとポテトも付けちゃう?」
明梨「……どこのファーストフードよ」

あかり「あ、どうせ付けるならいちごシェイクで」
明梨「……で、本当に誰からなのよ?」
空明「いちごシェイクはスルーなんだね」

あかり「それは……」

 あかりちゃんはともかく言いたくない様子。

空明「あかりちゃん、言えないの?」
あかり「だ、だって、密かに好きだった人からだなんて言えないですよっ……」
明梨「へー、誰なの?」
あかり「え、あかりは今なにを言いました……?」
空明「墓穴掘っちゃったね;」

中の光(あかりちゃんってこんな子だったっけ……)
輝(なんか若干キャラ変わってるような気がするな;)

あかり「うぅっ……ど、どうしよ、恥ずかしい」
光「あかりちゃんが恥ずかしがるって珍しいね?」
あかり「え、そうですか……普段のあかりと全然違いますか?」
光「全然違うよ、まるで別人みたい」
空明「別人って……ま、まさかあかりちゃんって。光ちゃん耳貸して」

 空明ちゃんが突然なにかを思ったようです。

光「え、なに?」
空明「もしかしてあかりさんも……輝さんみたいに中身が違うとか」
光「え、そんなまさか……ね?」

明梨「なにこそこそ話してるの?」
空明「あ、なんでもないよ明梨ちゃん」
明梨「うん? まあいいわ……さああかり、白状なさい」

『キーンコーンカーンコーン』

あかり「明梨さん、チャイムですよっ……」
明梨「くっ、仕方ないわね……一旦教室へ戻るわよ」
空明「はーい、光ちゃんも行こ?」

 こうして4人は一旦教室へと向かって行きましたが……。

中の光(輝……空明ちゃんがさっき言った事、どう思う?)
輝(ドリンクとポテトは割りとお得だよな)
中の光(……輝、空明ちゃんがさっき言った事、どう思う?)
輝(スルーなんだね……;)

 光はあえてもう突っ込むのを止めたようです。

輝(確かにあかりちゃんらしくないよな……魔法少女ですらも釣れないなんて)
中の光(だよね、それに私達みたいなのが居る以上……)
輝(中身がいつものあかりちゃんじゃない、と言う可能性もあるって事?)
中の光(絶対にそうじゃない、だなんて言い切れないもの)
輝(魔法少女のおっかけで変な魔法でも受けてしまったとか……)

 あかりちゃんがもしかしたら本物じゃないかもしれない、と言う疑惑を持った輝達。
 果たして真相はどうなのでしょうか……?



あかり「………ぼー」

 授業中のあかりちゃんは、なんだかすごくぼーっとしている感じです。
 まるでなにかを考えているのか、それとも……。

中の光(いつもの元気さが感じられないよね)
輝(あんなあかりちゃんは初めてだよ)
中の光(こんなの絶対おかしいよ。あの元気バカのあかりちゃんが)
輝(光……あかりちゃんの事、元気バカって思ってたんだ)
中の光(あ、今のはオフレコでお願いね!?)

 元気バカで存在感たっぷりのアッカリーンちゃん。
 しかしずっとぼーっとしているばかりで、いつものオーラが感じられません。

『キーンコーンカーンコーン』

 あかりちゃんの様子は変わりないまま、1時間目の授業が終わってしまいました。

中の光(ねえ輝……あかりちゃんに声掛けてみよ?)
輝(ん、そうだな。ちょっと話してみるか)

 光はあかりちゃんの様子が気になって仕方ないようです。

あかり「あーどうしよう……どうすれば」
光「あかりちゃん、大丈夫?」
あかり「あ、光さん……ラブレター、これどうすれば」
光「ね、ねえ、いつものあかりちゃん……だよね?」
あかり「そうですけど……」
光「じゃあアッカリーンやってみて?」
あかり「アッカ……リーン↓↓↓」

光「あららー、これは相当重症ね……」

 あかりちゃんのテンションはだだ下がりのようです。
 一応本人はいつものあかりちゃん、を主張していますが……。

中の光(ねえ輝……どう思う?)
輝(こんなあかりちゃんも萌え)
中の光(……ねえ輝、どう思う?)
輝(そうだな、いつものあかりちゃんのようで違うような……)
中の光(やっぱり中身が偽者なんじゃない? 魔法少女でも釣れないなんてさ)

 輝は曖昧な返答をするものの、光はあかりちゃんを疑う姿勢です。

明梨「あかりー、いい加減白状しなさーい」
空明「やっほーあかりちゃん、モテモテだねー」
あかり「皆さん……うー、あかりはどうすればいいのでしょう」
明梨「てかいい加減明るくなりなさいよ、なんでラブレターもらって落ち込むの」
あかり「だ、だって好きな相手からで恥ずかしくて……」
空明「でー、誰からなのー?」
あかり「幸一君……あれ、あかり今なにか言いました?」

空明「あかりちゃん……また墓穴だね」
明梨「幸一君って同じクラスの?」
中の光(でもその割には今まで1度も登場していない生徒よね?)

 リリさんだったら「きっと大人の事情だにゃん」とか言いそうですね……。

あかり「え、あかりそんな事一言も」
明梨「言ったでしょ、幸一君からなんだ」
空明「へー、あかりちゃんって幸一君が好きなんだー」

あかり「そ、そんな、あかりは……(///」

明梨「……マジで恥ずかしがってる」
空明「あははー、これは相当みたいだねー」
光「あかりちゃんは幸一君の事を……」

あかり「も、もう放っといてくださいー……」

 あかりちゃんは机に顔を伏してしまいました。

空明「ありゃりゃー……ま、まあ恥ずかしいなら仕方ないかな」
明梨「ゆりゆりだとばかり思っていたのに、あかりにも好きな男の子が居たなんてね」
光「かなーり以外だったよね、あかりちゃんって男も好きだなんて」
空明「光ちゃん、なんかそれ誤解を招きそうな言い方;」
明梨「ま、ラブレターの主と好きな人は分かったわ」

 その後はあかりちゃんが顔を伏したまま、上げる気配がなく……そのまま短い休み時間が終わりました。



 2時間目もあかりちゃんの様子は変わりませんでした。
 相変わらずあかりちゃんはぼーっとしています。

 そして2時間目も終わり、次は体育の時間となりました。

空明「あかりちゃーん、次の時間は体育だよー」

 10月に入ったら秋の体育祭があるので、9月は若干体育の時間が増えるのです。
 そんな訳でこれから2時間分体育の授業を行うのです。

あかり「………ぼー」
空明「あかりちゃーん、一緒に光ちゃんのブルマのおしりでにやにやしよー」
光「なんか最近はすっかり空明ちゃんも開き直ってるよね……;」

あかり「……あ、おしりですか?」
空明「うん、体育の時間だよ」
あかり「は、はぁ、そうですか」

明梨「あのあかりが光のブルマのおしりで釣れないなんて……相当のようね」

 女の子のブルマのおしり、特に光ちゃんのおしりが大好きなあかりちゃん。
 そんなあかりちゃんが反応を示さないのです。

明梨「はぁ、調子狂うわね……あかり、ほら元気出しなさいよ」

 明梨ちゃんはあかりちゃんの肩をポンと軽く叩きました。

あかり「ひっ!? な、なんですかっ!? ……あ、明梨さんでしたか」
明梨「……あかり、驚き過ぎ」
空明「明梨ちゃん最初からずっと居たよー」

 あかりちゃんが明梨ちゃんの存在に気付いていなかったのか、
 急に明梨ちゃんに肩を叩かれてものすごくビックリしたようです。

中の光(やっぱり怪しい……このあかりちゃん偽者なんじゃ)

 そして相変わらず偽者のあかりちゃん疑惑を抱く中の光ちゃん。

光「あかりちゃん、早く着替えないと授業遅れちゃうよ?」

 あかりちゃん以外はせかせかと体育着に着替えています。
 しかしあかりちゃんは机に座ったままぼーっとしていて一向に着替えません。

明梨「ほらあかり、しゃきっとしなさい」
あかり「は、はあ明梨さん」

 …………… ぼー。

光「……ダメだこりゃ」

 とりあえず椅子から立ち上がったものの、相変わらずぼーっとしたままのあかりちゃん。

空明「あかりちゃーん、ほらー早くしないとスカート脱がすよー」

 着替えようとしないあかりちゃんに対して、空明ちゃんがスカートをずり下げました。

あかり「え、ちょ、空明さん……!」

空明「え、あかりちゃ……下、ブルマ穿いてなかったの!?」
明梨「………かわいいじゃない」
光「わわわわわっ(///」

中の光(輝、なに動揺してんのよ!? 女の子のパンツくらいもう慣れたでしょ!?)
輝(いやすまない、さすがに不意打ち過ぎてだな……)

あかり「もうなにするんですか……はぁ」
空明「ご、ごめんねあかりちゃん!?」
明梨「………いい物見れたわね」

あかり「はぁー、どうすればいいんでしょうか……」

 あかりちゃんは相変わらずの様子です。

中の光(ねえ輝、今気付いた?)
輝(うん、どうした?)
中の光(明梨ちゃんがあかりちゃんに少しデレた……)
輝(ああ、最近ではたまにある事じゃないか)
中の光(そこじゃないのよ、それをあかりちゃんがスルーしてる)

輝(な、なんだと……明梨ちゃんのデレフラグをあかりちゃんがスルーだと!?)

 なんとあのあかりちゃんが、明梨ちゃんのデレをスルーしていたのです。

中の光(やっぱりこのあかりちゃん、きっと偽者なのよ)
輝(明梨ちゃんのデレフラグをスルーとは……魔法で頭おかしくなったとか?)

空明「あれー、そういえばいつの間にかもう誰も居ないね?」
明梨「皆もう校庭へ行っちゃったみたいね」

『キーンコーンカーンコーン』

光「あ、チャイム鳴っちゃった!」
あかり「え、次は体育でしたっけ……あ、着替えなくちゃですね」

 ようやくブルマを穿いて着替え始めたあかりちゃん。

空明「ねえあかりちゃん、保健室行く? こんな状態で体育だなんて」
明梨「おしりを見てにやにやしないあかりなんて……いつものあかりじゃない」
光「ってあかりちゃん、鼻血出てるよ!?」

あかり「え、鼻血ですか?」

 いつの間にかあかりちゃんの鼻からは血が垂れ掛けていました。

空明「知らないうちにどこかにぶつけたの!?」
明梨「いや違うわ……これは。感情に出さなくても身体がおしりに反応してたのよ」
光「あかりちゃんって一体……;」

明梨「ああもう仕方ないわね、ほらティッシュ詰めて」

 明梨ちゃんはポケットティッシュを出してあかりちゃんに渡します。

あかり「あ、はい……」

明梨「ほら保健室行くわよ。光、空明ちゃん、先生にあかりの事伝えといて」
光「うん、分かった」
空明「任せて、明梨ちゃん」

 光ちゃんと空明ちゃんは先に校庭へ、明梨ちゃんとあかりちゃんは保健室へと向かいました。



 あかりちゃんを保健室に連れて行く明梨ちゃん。

明梨「全くもう……知らないうちに鼻血まで出すなんて」
あかり「はあ、すみません」
明梨「い、いや、別に……もうほんっと調子狂うわね……」

 あかりちゃんの反応がいつもと違って、明梨ちゃんも本調子ではないようです。

明梨「ねえあかり、この際はっきりと言うわよ。幸一君の事そんなに考える必要ある?」
あかり「え、だ、だって幸一君は……あ、あかりの好きな、人……」

 あかりちゃんは顔を真っ赤にして俯いてしまいました。

明梨「………はあ、ダメそうねこりゃ」

 明梨ちゃんはどうやらいつものあかりちゃんに戻って欲しいみたい。

明梨「別にラブレターもらっただけなんでしょ? 受けるか断るかで済む話じゃない」
あかり「だ、だって好きなのに断るだなんて……受けようにも恥ずかしくて」
明梨「あかりってこんなにも恥ずかしがる生き物だったんだ」
あかり「ごめんなさい……」
明梨「だからなんで謝るのよ」

あかり「あかり、どうすればいいか分からなくて……ラブレターをもらうなんて初めてだから。しかも好きな人から……」

明梨「いつものバカな元気さはどこ行ったのよ。いつも通りにすればいいじゃない」
あかり「で、でも……そ、そんな、いつも通りって言われても」
明梨「ただ告白を受ければいいだけのお話でしょ?」
あかり「受けたらそれからどうすれば……」
明梨「それはあかり自身が考える事じゃない」

あかり「分かればこんなに悩まないです……」

明梨「……もういい。とりあえず保健室着いたからしっかり休むのよ」
あかり「すみません明梨さん」
明梨「いつものあかりじゃないと、張り合いないじゃないの……」

 明梨ちゃんは最後にそう言い残して校庭へ向かいました。



 あかりちゃんは保健室で休んでいました。
 その間にも色々な思考があかりちゃんの中を巡ります。

あかり「どうすればいいのかな……せっかくもらったラブレターだもん。あかりだって告白を受けたいよ。でも付き合う事になっても恥ずかしいよ……」

あかり「あかりが女の子ばかり意識するようになったのだって、小さい頃男の子とのトラウマがあったから……」

 小さい頃男の子とのトラウマ……?
 あかりちゃんは幼少期になにかしらあったのでしょうか?

あかり「はあ、あんな出来事さえ無ければ……あかりも、普通に男の子を好きになって普通の女の子になれたのかな……」

 一見普通の女の子にしか見えないあかりちゃん。
 しかしあかりちゃん自身は、女の子ばかり意識する部分を普通じゃないと思っているようです。

あかり「幸一君の事はなんで好きなんだろう、もしかして……小さい頃のあの子と被る部分があるからかな」

 あかりちゃんは小さい頃男の子となにかしらあったようですが、
 同じクラスの幸一君はその男の子と被るような部分があるみたいです。

あかり「はあ……普通に男の子だけ好きになれればいいのに。女の子ばかり意識してたから、男の子が相手だと考えるだけで恥ずかしさが……」

 普通になりたいのに普通になれないあかりちゃん。
 彼女は彼女なりにその事で色々と悩んでいたようですね。

あかり「うぅっ、下半身が少し寒い……もう9月なんですね、これからどんどん冷えてくるのかな……そういえばあかり、下はブルマでしたね」

あかり「ブルマ……か。あかりったらなにぼーっとしてたんだろ。もっと光さんのおしりを良く見ておけば良かったなぁ……」

あかり「もちろん空明さんや明梨さんのおしりも……そろそろティッシュ取り替えますか」

 あかりちゃんは新しくティッシュを取って鼻に詰められる大きさに丸め、
 先に詰めていたティッシュを鼻から抜きました。

あかり「うっ……何故か鼻血すごい出てます。止まる気配ないですね……大丈夫かな」

 あかりちゃんはまたいらぬ事を考えてしまったせいなのか、
 鼻血の勢いはいっそう増してしまったようなのでした……。



 一方授業の方では体育祭の練習が行われていました。
 ブルマな女子小学生達による、桃源郷とも言わんばかりの練習風景です。

リリ先生(その後体育祭の練習が2時間続いたけれど、容量の都合でカットなんだにゃ)

 期待のブルマシーンはお預けなんですね……。

リリ先生(次回の体育祭編のお楽しみなんだにゃ)



『キーンコーンカーンコーン』

あかり「はあ………」

 お昼休み、ご飯を食べ終えたあかりちゃんは校庭のブランコに座ってぼーっとしていました。
 あかりちゃんの鼻血はお昼休み前頃に止まって、結局体育祭の練習は出ずに終わりました。
 教室へ戻るなりいつもの3人に心配されつつも、相変わらずまともにお話できずにごはんを食べ出しました。

 そして食べ終えたあかりちゃんは、皆を置いて1人校庭へ来ていたのです。

みう「あかりちゃん、元気無いね。どうしたの?」
あかり「あ、みうさん……実は今朝ラブレターをもらっちゃいまして」
みう「ラブレター? 誰からなの?」
あかり「あかりの大好きな人……ってみうさん、何故いつの間にかうちの学校に?」
みう「なんか魔法少女を必要とする人が居たから、休み時間抜けてきちゃった」

あかり「はあ、そうでしたか……」
みう「あれー、あかりちゃんってこんな子だったっけ……?」

 みうちゃんは魔法少女の登場であかりちゃんが喜んでくれる、と思って声を掛けたようですが。

みう「あかりちゃん、暗いね……」
あかり「どうすればいいんだろう……魔法少女に頼った方がいいのでしょうか」
みう「もしかして……魔法少女を必要としていたのってあかりちゃんなの?」

あかり「え、あかりはみうさんを見て今そう思ったのですが」

みう「うーんそうよね、光ちゃんが近くに居るものね。本当に魔法少女を必要としていたなら光ちゃんが気付いている筈」

あかり「みうさん……勇気の魔法ってありますか?」
みう「勇気の魔法?」
あかり「ラブレターをもらって告白を受け止める、そんな勇気が欲しいんです」

みう「うーん、大体の魔法はみうにできるよ。なにしろみうの魔力はとてもすごいからね。それはそれはもうエムピ星直伝の子と一緒に組んでいるとなると、直接その魔力が身体を巡って結果的にみうの魔力は」(♪:みうちゃんが自慢話をする時に流れるテーマ)

 長いので割愛させてもらいますね……。

みう「え、カットされた!? ま、まあいいわ……それであかりちゃん、いいの?」
あかり「いいのってなにがですか?」
みう「えーっとね……まあいっか。あかりちゃんが必要だって言うならば」

 みうちゃんはあかりちゃんに魔法を掛けました。

みう「あかりちゃんに勇気が出るといいな♪ えいっ!」

 みうちゃんの魔法を受けたあかりちゃんは……。

あかり「お、お、おおー……なんだか力が湧いてきましたよ!」
みう「わー、すっかりいつものあかりちゃんに戻ったね」
あかり「みうさんありがとうございます! あかり教室に戻りますね!」
みう「うんー、頑張ってねー」
あかり「はい! しっかりと告白を受けて来ますよ!」

 あかりちゃんはみうちゃんに手を振って校庭を去りました。

未宇(みうちゃん……本当に良かったの?)
みう「うーん、あかりちゃん元気無かったから見てられなくて」
未宇(でも人の気持ちに直結するような魔法はあまり……ね)
みう「そーだよね、本当は良くなかったよね」
未宇(ところで結局、魔法少女を呼んだのって誰だったんだろ?)

みう「………さあ?」

 みうちゃんは魔法少女を必要とする者が居たからよもぎ小学校へ来たそうな。
 果たして魔法少女を呼んだのは誰だったのでしょう……?



 あかりちゃんは急ぎ足で教室へと戻りました。

あかり「アッカリーン↑↑↑ 復活ですよー!」
明梨「うわっ、ビックリしたわね!?」
空明「あー、あかりちゃん復活したんだー」
光「なにか吹っ切れた?」

あかり「皆さんすみませんでした! あかりはもう大丈夫ですよー!」
空明「告白は受けるの?」
あかり「ええ、しっかりと受け止めますよ!」

明梨「………急にこの変わり様。なんかおかしいわね」
あかり「え、明梨さんなにか言いましたか?」
明梨「………なんでもない、私もいつものあかりの方が好きだけど」

中の光(あ、明梨ちゃんが少しデレたね)

明梨「光、ちょっと来てくれる?」
光「え、私? なにかお話でもあるの?」
明梨「ただトイレに行くだけよ。ちょっと光連れて行くね」

光「え、うん、分かったけど……」
中の光(わざわざ私を連れ出すって本当にトイレなのかな……?)

 光ちゃんは明梨ちゃんに連れられて廊下へと出ました。

空明「いってらっしゃーい」
あかり「くっ……あかりは今猛烈に悲しいのです」
空明「えーと、どうしたの?」

あかり「体育祭の練習を休んでて皆さんのブルマを見過ごしてしまったのです……!」
空明「………いつものあかりちゃんに戻ったね」

 その後空明ちゃんは、教室であかりちゃんにブルマ談議を押し付けられていたそうな。



光「ねえ明梨ちゃん、本当はトイレじゃないんだよね?」
明梨「ええ、そうよ。光にお話があってね」

 明梨ちゃんは光を屋上へ連れてきました。

明梨「屋上なら滅多に生徒が来ないから、お話をするのにピッタリね」
光「それで明梨ちゃん、お話ってなに?」
明梨「光、一応確認したいのだけれど……あかりになにか魔法を使った?」

光「え、私があかりちゃんに……魔法を?」
中の光(輝はなにも使ってないわよね?)

光「私はなにもしてないけど」
明梨「そう、じゃあやっぱり光以外の誰かが……光よりも強い魔力だったものね」
光「え、一体なんの話? 私よりも強い魔力って」

明梨「なんでもないのよ。光があかりになにかした訳じゃない、それが分かれば良いの」
光「は、はあ……うん、分かった」
明梨「じゃあ光、これから行くわよ」
光「え、行くって一体どこに……」

 明梨ちゃんの意味深な言動、明梨ちゃんはこれからどこへ行こうとするのでしょうか。

明梨「トイレよトイレ。行きたいのは嘘じゃなかったから」
光「あ、トイレでしたか……」
中の光(ヘタに深く考えちゃってたね……;)

 光ちゃんはその後、明梨ちゃんとトイレへ向かいました。
 用を足しながら中の光ちゃんが輝にお話を持ち掛けてきます。

中の光(ねえ輝……明梨ちゃん、私達のなにかを探ろうとしている?)
輝(どうだろうな、なんか意味深な事言ってたよな)
中の光(あかりに魔法を使ったかどうか、そして私よりも強い魔力だったって)
輝(推測するに……もしかして誰かしらがあかりちゃんに魔法を掛けた?)
中の光(どうもそういう事みたいだよね。そして明梨ちゃんはそれに気付いた)

輝(あかりちゃんのあの性格の変わり様……確かにこれは魔法が絡んでそうだよな)
中の光(やっぱりあの暗いあかりちゃんは偽者だったのよ)
輝(とことん偽者に拘るな、もし本当のあかりちゃんだったらどうするんだ)

中の光(お詫びに私のブルマのおしり見せ放題権でもあげる)
輝(ちょ、それ光じゃなくて俺がする事になるんだろ!?)

中の光(―――――♪) ひかり は くちぶえ を ふいている !

明梨「ねえ光」
光「あ、明梨ちゃん。なに?」

 ドアの外から明梨ちゃんの声がしました。

明梨「やけに長いけどまだ出ないの?」
光「あ、ごめん今出るよ」
中の光(輝、またお腹の弱い子と勘違いされるのは嫌だからね)

 なんだか前にもそんな事があったような無かったような……。

『グギュルルル……』

光「うっ………いたたたた」
中の光(輝、どうしたの?)

光「ごめ、明梨ちゃん……お腹痛い、先に戻ってて」
明梨「………分かったわ、ごゆっくり」

 どうやら光ちゃんの身体はお腹の調子が悪いようです。

中の光(ちょっと輝、本当にお腹痛いの!?)
輝(光は分からないのか……感覚共有じゃなかったっけ)
中の光(そういえば……うっ、今更になって私も痛みが。もうちょっとこもろうか……)

 体育の練習で沢山動いて、そのあとにごはんを詰め込んだものだから。
 どうやら光ちゃん、それでお腹を悪くしてしまったようなのでした。

中の光(結局明梨ちゃんに長い方だと思われちゃったかな……)
輝(まあ急な腹痛ばかりは仕方無いだろ)
中の光(私は嫌よ、体調管理も女の子の大事な努めなんだからね!?)

輝(はあそうですか、女の子って大変だな)
中の光(なによ、他人事みたいに!)
輝(だって俺の身体じゃないもんな)
中の光(輝は本気で私を他人だと思ってる訳?)
輝(いや冗談だよ、光とはもう半年以上も運命共同体だしな。俺の嫁も同然)

中の光(な、なによ……そんなの言い過ぎよ///)
輝(いっそ元に戻ってもずっと一緒に居るか?)
中の光(も……もう! か、からかわないでよーーー!)

 結構満更でもない光ちゃんでした。



『キーンコーンカーンコーン』

 その後光ちゃんは遅れて教室に戻り、5時間目の授業が始まりました。
 あかりちゃんはすっかりと復活したようで、授業も普通に受けています。

中の光(あかりちゃんのこの変わり様……確かに普通じゃないのかも)
輝(明梨ちゃんが意味深な事を言ってた通り、魔法でも絡んでいるのかもな?)
中の光(でも私は魔法を使ってないし、そうなると一体誰が……)

 光ちゃんには他に思い当たる人物が居ません。

中の光(魔法少女で唯一知っているのはみうちゃんだけど、学校違うものね)
輝(学校まだ終わってないだろうし、みうちゃんとは考え辛いよね)
中の光(となるともしや……あかりちゃんに魔法を掛けたのは)
輝(うん、そうだな……俺も今そう思った)

光・輝(まさか明梨ちゃん!?)

輝(明梨ちゃんはあかりの変わり様の件を持ち出した超本人だよな)
中の光(それに時間停止魔法の時、動いていた件……普通とは思えないもの)
輝(やっぱり明梨ちゃんは……魔法少女だった?)

中の光(明梨ちゃんに問いただしてみようか)

 光と輝は明梨ちゃんが魔法少女である可能性を疑いました。
 そしてあかりちゃんに魔法を掛けたのは明梨ちゃんであると。

 みうちゃんとあかりちゃんが接触していたなんて、光ちゃん達は知る由もありませんでした。



 そして次の休憩時間。

明梨「あかり、ちょっと来て」
あかり「明梨さんなんですか?」
明梨「ちょっとトイレ付き合ってくれる?」

あかり「え、いいですけど?」

 明梨ちゃんはあかりちゃんを連れて教室を出てしまいました。

光「ねえねえ空明ちゃん、明梨ちゃんは?」
空明「なんか今、あかりちゃんを連れて教室を出て行ったよ」
光「どこ行くって言ってた?」
空明「おトイレに行くって」

光「明梨ちゃん……あかりちゃんになにかする気なのかな」
空明「なにかって?」

光「………ううん、こっちのお話。ちょっと私もトイレ行ってくるね」
空明「うん? いってらっしゃい?」

 光ちゃんは教室を出て屋上へ向かいました。

空明「明梨ちゃんも光ちゃんもなんだか様子がおかしいような……もしかして皆偽者じゃないよね?」

 空明ちゃんまでなんだかそんな事を言い出していました……とも知らず。

空明「それとも光ちゃん、またお腹痛いのかな?」

 すっかりとお腹の弱い子、と思われてしまっていたみたいですね。



 明梨ちゃんはあかりちゃんを連れて屋上へ来ました。

あかり「明梨さんどうしたんですか? トイレじゃなかったんですか?」
明梨「………バカあかり」
あかり「へ、いきなりなんです?」
明梨「なんで魔法の力になんか頼るのよ」
あかり「え、魔法の力って……って、なんで明梨さんが知ってるんです!?」

明梨「あかりから強い魔力が」
あかり「へっ……?」
明梨「……なんでもないの。ただ単に私が推測しただけの事」

あかり「推測……ですか」
明梨「途中まであんな感じのあかりがいきなり復活なんておかしいじゃない」
あかり「つまりそれが魔法だと?」
明梨「そうよね、誰かに魔法でも掛けてもらったのよね?」
あかり「は、はい、実はさっき校庭でみうさんに会って勇気の魔法を」

『ペチン!』

あかり「痛っ……明梨さん!?」
明梨「バカあかり! 魔法になんか頼ってどうするのよ」
あかり「え、だってラブレターをもらって勇気が出なかったから」

明梨「魔法の力でもらった勇気で応えたって、それは本当のあかり自身の応えだって言えるの!?」

あかり「そ、それは……」

 あかりちゃんは少し考えた末、黙り込んで俯いてしまいました。

あかり「でも明梨さん、元々告白には応えるつもりだったんですよ」
明梨「魔法に頼って応えてどうするのよ、正々堂々とあかりの気持ちで応えなさいよ」
あかり「あかりの……私の、気持ちですか」

明梨「魔法で得た気持ちが偽りだったとか偽りじゃないとか、そういう問題じゃない。私が言いたい事、あかりなら分かってくれるでしょ!?」

 あかりちゃんは呆然としてしまっています。

あかり「あ、あかり……バカでした。魔法の力でもらった勇気なんかで応えても、きっと幸一君は嬉しくない……」

明梨「そうよね、そうでしょ? 人の気持ちってそんな簡単な物じゃないでしょ」
あかり「あかりはどうすれば……」
明梨「気付いたならば魔法を解いた方がいいわ」
あかり「でもみうさん、きっともう学校に戻っちゃってる……あ、そうだ。光さんなら」
明梨「無駄よ、光の魔力じゃみうちゃん程の強い魔法は解けないわ」

あかり「どうしよう……」
明梨「あかり、ちょっと目を瞑ってくれる?」
あかり「え、なんで……う、うん、いいですよ」

 あかりちゃんは若干疑問に思ったようですが、明梨ちゃんの目は真剣でした。
 そんな明梨ちゃんに対して、あかりちゃんは素直に応えました。

明梨「あかり……動かないでね」

 あかりちゃんが目を瞑ってから数十秒後の事……そこには、屋上の入り口で固まる光ちゃんの姿が。

光「ふ、2人ともなにやってるの……?」
あかり「え、あれ、光さん?」
明梨「………光、見ちゃった?」

光「見てない私はなにも見てないです」
明梨「そう、ならいいわ」

あかり「明梨さん、今あかりに」
明梨「あかりも光もなにも見てない、なにも知らない、そうよね?」
光・あかり「あ、はい……」

明梨「さ、そろそろ休み時間が終わるから教室へ戻るわよ」
あかり「あ、はい明梨さん、戻りましょう」
光「あ、2人共待ってよー」

 明梨ちゃんはどうやらさっきの事、あかりちゃんと光ちゃんに忘れろと言いたかったようです。
 一体明梨ちゃんはあかりちゃんになにを、そして光ちゃんはなにを見たのでしょうか。



 そしていよいよ放課後になりました。

あかり「どきどき……ねえ明梨さん、あかりの魔法本当に解けているですか?」
明梨「ええ大丈夫よ。あかり自身の気持ちでしっかりと応えなさい」
あかり「分かりました……じゃああかり、行ってきますね」

 あかりちゃんは手紙に指定があった校庭の中庭へ……。

光「ねえ明梨ちゃん……さっき」
明梨「ん、さっきなにかあったかしら?」
光「……なんでもないです」

 光ちゃん……輝は、さっきの出来事が気になってどうしようもないようです。

中の光(明梨ちゃん、あかりちゃんと抱き合ってたよね……)
輝(キスもしていたような気が……)

 屋上で2人は一体……なにをやっていたのでしょうか。

中の光(ねえ輝、すっかり明梨ちゃんに訊きそびれちゃったけどさ……)
輝(明梨ちゃんは魔法少女なのかどうかって話?)
中の光(うん、明梨ちゃんはなんでさっきあかりちゃんとあんな事を)

輝(素直に慣れないツンデレ明梨ちゃんが、あかりちゃんの心を魔法で操って虜にしていたとか?)

中の光(………突っ込みたい気もするけれど、明梨ちゃんのツンデレ具合ならば完全に無いとも言い切れないような気が)

輝(まあ本当になにをやってたんだろうな……ただ単に2人で抱き合っていただけ?)
中の光(2人の関係がいつの間にかそこまで進んでいたとか……)
輝(いやいや、あのツンデレ明梨ちゃんに限ってまさかそんな事)

中の光(もしや明梨ちゃんも実は偽者なのかな?)

 光ちゃんは今回やたらとそればかりですね……。



 一方中庭へと向かったあかりちゃんは……。

あかり「あれ、幸一君居ないですね」
男子「あかりちゃん」
あかり「あ、幸一君……」

男子「って俺、名前表記がもろ脇役扱いじゃないか……」
あかり「名前表記ってなんの事です?」
男子「……な、なんでもない」

 多分彼の出番はこのシーン限りと言う事なのでしょうね。

男子「あかりちゃんごめん、こんな所に呼び出して。来てくれてありがとう」
あかり「は、はい……///」
男子「実は今日はあかりちゃんにお話があってな」

あかり「はい、なんでしょう……」

 あかりちゃんの心臓はどきどき鳴っています。

男子「実は俺、魔法少女がすごく大好きなんだ」
あかり「魔法少女を? そうなんですか!?」
男子「ああ、そして魔法少女に夢中なあかりちゃんの事も」

 なんだかいい感じのお二人さん。



空明「あーなんだか今回あたしの出番少ないなぁ……」
光「一生懸命頑張ったのに体育のシーン全カットだなんてね」
空明「そうよそうよ、一生懸命苦手な運動頑張ったんだからー」

明梨「光は組体操の途中でブルマを脱がされ掛けてたわよね?」

光「あ、そういえば他の子の手が滑ってそんな事が……カットされて良かった」
空明「あははははー……」

 教室では3人があかりちゃんの帰りを待っていました。

明梨「それにしてもあかりったら遅いわね……大丈夫かしら」
光「あ、そういえば明梨ちゃん……あかりちゃんに魔法がどうこう言ってたけど」
明梨「実はあかりはね、みうちゃんに魔法を掛けてもらっていたのよ」

光「え、みうちゃんに……?」

中の光(魔法を掛けたのは明梨ちゃんじゃなかったの……?)
輝(そもそも明梨ちゃんが魔法少女と言う確証も無いけどな……)

空明「みうちゃんが学校に来たの?」
明梨「あかりが昼休みに会ったって言ってたの。それで勇気の魔法をもらったって」
空明「えーそうだったんだー。じゃああかりちゃんはバッチリだね」

明梨「でもその魔法は解いたわ」
空明「え、なんで?」
明梨「だって魔法で気持ちをいじるなんてズルいじゃない」

光「うん、そうだよね。でも解いたって明梨ちゃんはなにかしたの?」
明梨「……別に。私はなにもしてないわ」
空明「あかりちゃんは今、魔法が解けているの?」
明梨「ええ、その筈よ」
空明「じゃあ時間経過かなにかで勝手に解けたの?」

明梨「……多分、ね」

 なんだか明梨ちゃんはとてもぎこちない様子です。

中の光(明梨ちゃん……なにか、隠してる?)
輝(なんだろうな……俺もそんな予感がした)

中の光(明梨ちゃんって一体……考えてみれば私、幼なじみなのに明梨ちゃんの事、色々と知らない事が多い気がする)

輝(うん? そうなの?)
中の光(うん、ただ学校で会うだけでそれ以外の事はあまりね)

あかり「もうバカバカバカァー! アッカリーン」

 あかりちゃんが突然ハイテンションで教室へ戻ってきました。

光「うわっ、ビックリしたぁ……あかりちゃんどうしたの?」
空明「告白はどうだったの?」

あかり「それが皆さん聞いてくださいよ! 幸一君も魔法少女が好きだって言うんですよ!?」

空明「えーそうなの? あかりちゃん良かったじゃなーい」
あかり「良くないですよ! リリカルひかりんの事をバカにされたんですよ!?」
光「え、バカにって……なにか言ってたの?」

あかり「リリカルひかりんは失敗ばかり魔力も低いし、弱そうだしかわいいだけで魔法少女の風上にも置けないだのなんだの……」

あかり「魔法少女マニアのあかりちゃんならば、彼女が魔法少女として大した事ないくらい分かるだろ、とか……光ちゃんがいつも頑張っているとも知らずにさー!?」

あかり「だからあかり、はっきり言ってやりましたよ! リリカルひかりんの潜在能力はすごいんだからってね!?」

 幸一君は純粋な魔法少女好きとして、魔法少女なのに失敗ばかりのリリカルひかりんの事が許せなかったようです。
 魔法少女マニアであるあかりちゃんならお話を分かってくれると思って、それで呼び出しついでにお話をしたようなのですが……。

 あかりちゃんの大反感を買ってしまったようですね。

あかり「しかも幸一君、どうもリリカルひかりんが光さんだって知らないようで……リリカルひかりんは光ちゃんなのに! 普通クラスメートをバカにしますか!?」

光「あ、でも知らなかった感じなら仕方ないんじゃ」
あかり「お友達がバカにされて黙ってられますか!?」
空明「うん、あかりちゃんはとっても優しいんだね」

 あかりちゃんはどうやら、恋よりも友情の方が大事だったようです。

明梨「あかり、肝心の幸一君の事はどうしたの?」
あかり「お付き合いなんてこっちから願い下げですよ! あかり幻滅しましたもん!」
明梨「そう……良かった」

あかり「え、明梨さん。良かったってなんでですか?」
明梨「な、なんでもないのよ……///」
あかり「明梨さん、なんで赤くなるですか?」

明梨「う、うるさいわね!?」

 これはまた明梨ちゃんのデレフラグでしょうか?

あかり「はあ……うじうじ悩んでたあかりがバカみたいでした。最後にはリリカルひかりんなんかよりもゴッドアカリンの方が素晴らしいの一点貼りで」

 明梨ちゃんがピクッとあかりちゃんの言葉に反応しました。

明梨「ゴッドアカリン……ですって?」
あかり「ゴッドアカリンってそんな魔法少女居るですか? あかりも知りませんよ?」
空明「アカリンってなんだかあかりちゃんと似てる感じがするね?」

中の光(ゴッドアカリン……もしかしてこれって)
輝(ああ……恐らくな。今後に関わるなにかのフラグなのかもしれないな……)
中の光(しかも明梨ちゃんの様子、なにかゴッドアカリンについて知ってるっぽい?)

 魔法少女マニアのあかりちゃん。
 しかしそんなあかりちゃんでも知らないと言うゴッドアカリン……と言う魔法少女。

 ゴッドアカリンとは一体どんな魔法少女なのでしょうか……。

明梨「ゴッドアカリン……なんで幸一君がその名を」
あかり「明梨さん、なにか知ってるですか?」
明梨「……私はなにも知らないわ」

あかり「はあそうですか」
明梨「さ、そろそろ帰るわよ」

 結局あかりちゃんのラブレター騒動はくそみそな結果に……ではなくて、なにも変化が無いまま終わりました。
 こうして4人は帰路へと着いてそれぞれ帰って行きました。


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  • 最終更新:2018-02-10 16:13:25

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